「貧困連鎖断ちたい」フードバンク活動10年の女性

2019/2/18 9:46
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食品の入った段ボール箱を開ける子供(右)ら=フードバンク山梨提供・共同

食品の入った段ボール箱を開ける子供(右)ら=フードバンク山梨提供・共同

寄付で募った食品を生活困窮者に届けるNPO法人「フードバンク山梨」(同県南アルプス市)が、2008年10月の活動開始から10年が過ぎた。取り組みを全国に波及させた理事長の米山けい子さんは「子供にひもじい思いをさせてはいけない。貧困の連鎖を断ち切る運動がさらに広がってほしい」と強調する。

「誰も子供たちの貧困を望んでいないはず。支援の輪に加わってほしい」と話すフードバンク山梨の米山けい子理事長=共同

「誰も子供たちの貧困を望んでいないはず。支援の輪に加わってほしい」と話すフードバンク山梨の米山けい子理事長=共同

米山さんが活動を始めた08年は、年末の東京・日比谷公園「年越し派遣村」開設など貧困問題が注目を集めていた。「自分にもできることはないか」と考え、商品表示のミスや余剰在庫といった事情で、食べられるのに捨てられてしまう食品を、児童養護施設などに届けることにした。

個人への配送を始めたきっかけは「食パンを買うお金もない」と訴える09年11月の1本の電話。自らの看病のため、夫が仕事を辞めざるを得なくなったという2児の母親からだった。

現在は連携する県内7市役所の窓口や学校を通じてNPOに申請すれば、月2回、段ボール箱いっぱいの食品が届く。18年末現在で、2511世帯に通算2万7932箱を発送した。

フードバンク山梨の倉庫で女優の石田ひかりさん(中央)も食品の箱詰めを手伝った(2018年12月、山梨県南アルプス市)=共同

フードバンク山梨の倉庫で女優の石田ひかりさん(中央)も食品の箱詰めを手伝った(2018年12月、山梨県南アルプス市)=共同

子供への支援拡充のため、子育て家庭には学校給食がない夏休みや冬休みが始まる前にさらに1箱届ける。18年12月下旬には、取り組みに共感した女優石田ひかりさんがボランティアで箱詰めを手伝った。

学習支援教室やバーベキュー大会も開催。18年夏のバーベキューに参加した子供は、スイカの絵を添えて「大きなお肉やつった魚はとくべつおいしかったです。今日はしあわせでした」と手紙をくれた。

全国各地のフードバンクでつくる協議会の代表理事も務める米山さんは「生活が苦しいことを隠す『恥の文化』もあり、日本は格差が見えにくい、おかしな社会になっている。貧困による孤立は、何一つよいことを生まない」と力を込めた。〔共同〕

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