2019年3月20日(水)

米、ガス供給で対独包囲網 ペンス副大統領が呼びかけ

トランプ政権
ドイツ政局
ヨーロッパ
2019/2/16 23:49
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【ミュンヘン=石川潤】米国のペンス副大統領は16日、独南部で開かれたミュンヘン安全保障会議での講演で、ロシアとドイツを結ぶガスパイプライン計画(ノルドストリーム2)に反対するように欧州各国に呼びかけた。米国は欧州のロシアへのエネルギー依存が高まることを警戒しており、計画を進めるドイツへの包囲網を強める。

ミュンヘン安全保障会議に出席したペンス米副大統領=ロイター

「同盟国が東側への依存を強めようとするならば、西側の防衛は保証できなくなる」。ペンス氏はパイプライン計画を強くけん制した。反対をすでに表明している欧州の一部の国々を称賛し「ほかの国にも同じことをするように要求する」と言い切った。計画を巡って、北大西洋条約機構(NATO)内の対立が鮮明になりつつある。

ノルドストリーム2はロシア産の天然ガスをバルト海を通してドイツに運ぶ全長1200キロメートルのパイプライン計画。現在、ロシアから欧州へのガスの通り道になっているウクライナの安全保障を脅かすとの指摘があり、米国や東欧諸国などが反対している。

メルケル独首相は同日、ペンス氏に先立って行った講演のなかで「ロシアとの関係をすべて断ち切ることが欧州の利益になるとは思わない」と述べた。冷戦時代にも旧ソ連から大量のガスを購入しており、ロシアからガスを調達することがいまさら問題にされるのは理解できないというのがドイツ側の主張だ。

さらにメルケル氏は「(ドイツの)自動車がいま突然、米国の安全保障上の脅威だとされれば、ショックだ」とも指摘。同盟国相手にも遠慮なく関税引き上げを突きつけるトランプ政権が、ドイツ経済の生命線である自動車への関税を引き上げないように求めた。

ロシアや中国の脅威が高まっており、本来であれば、米欧の緊密な連携が求められる局面だ。ところが、米国が決めた中距離核戦力(INF)廃棄条約からの撤退やシリアからの米軍の撤収、対イラン政策などで亀裂は深まるばかり。戦後の平和を支えてきた米欧関係は曲がり角にさしかかっている。

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