2019年5月20日(月)

TOTOファイン、半導体製造用静電チャック増産

2019/2/16 6:00
保存
共有
印刷
その他

TOTO子会社のTOTOファインセラミックス(大分県中津市、升本浩之社長)は、半導体製造装置に組み込むセラミックス部品「静電チャック」を増産する。118億円を投じ、本社・中津工場で新工場棟を建設、2020年10月の稼働を目指す。半導体市況は減速感が強まっているが、中長期では自動運転や次世代通信規格「5G」の商用化などで底堅く、交換需要も見込む。

半導体製造装置に取り付ける静電チャックを増産する

半導体製造装置に取り付ける静電チャックを増産する

「自動運転の本格的な普及が今後見込まれ、フラッシュメモリー需要は急拡大する。静電チャックは新規需要だけでなく、交換需要も極めて大きい」。升本社長は静電チャックの量産工場を新設する狙いについて、こう話す。

自動車のIT(情報技術)化や、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の進展で、記憶媒体の主力が3次元(3D)構造のNAND型フラッシュメモリーに移行している。世界的な半導体メモリー需要の急伸を見込む。

静電チャックは半導体装置内でナノ(10億分の1)レベルで集積回路をプラズマで削る際、ウエハーを静電効果で固定する中核部品。衛生陶器で培ったセラミックの焼成技術を使い、同社の静電チャックは高い電圧下でも摩耗しにくく、微細なチリ(パーティクル)が発生しにくい。

ただ、半導体メモリーの高度化で静電チャックにかかる負荷が高まっており、消費サイクルが短くなっているという。

新棟は4階建てで、延べ床面積は約2万2000平方メートル。1月に建設を始め、12月の完成を予定する。従業員は現在の763人から、本格稼働の際には3割増の約1000人に増やす計画だ。

TOTOの18年度の静電チャックを含むセラミック事業売上高は前年度比13%増の226億円を見込む。低パーティクルや耐久性の高さを武器に22年度は売上高370億円、営業利益80億円を目指す。

3D構造のフラッシュメモリーはスマートフォン(スマホ)やデータセンターのサーバーシステムで導入が進む。自動運転やIoTの進展で処理するデータ量は増大している。日本半導体製造装置協会は日本製の半導体製造装置の販売高が18年度に2兆3027億円、20年度には2兆5385億円に拡大すると予測している。

中国でスマホ市場が減速し、米中貿易協議の先行きも不透明で、半導体向け設備投資に対して慎重な見方も広がっているが、TOTOファインセラミックスは主に米国の半導体製造装置メーカーから引き合いが続いているという。(奈良部光則)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報