産業創出、人材呼び込む AI実験に助成 四国4県予算

2019/2/15 19:00
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四国4県の2019年度予算案が15日に出そろい、各県とも人工知能(AI)などの最先端技術で新産業を創出し、地域経済の活力を高める。スタートアップ企業の育成にも重点を置き、人材を四国に呼び込む。人材の定着には安全・安心な地域社会の構築が不可欠であり、大規模災害への備えなども加速させる。働き方改革など19年度の重要な制度改正にも対応する。

香川県はスタートアップ企業の育成に力を入れる(あなぶきグループが運営する高松市の「co-ba」)

■企業支援

AIやあらゆるものがネットでつながる「IoT」などの新技術で社会的課題を解決する「Society5.0(超スマート社会)」。香川県でもその道を切り開こうと、県は1億2300万円を計上。産業技術総合研究所と連携して、県内企業の研究開発を支援する。

高知県では、AIなどの最先端技術で強みを持つ県外大手企業などが、様々な課題解決に向けて県内で実証実験する場合に資金やフィールドを提供する助成制度を創設する。農業では環境制御技術にAIなどを取り入れて、栽培から流通までを管理する次世代型のシステムを構築する。

スタートアップ企業の育成に力を入れる動きも目立つ。香川県内では、あなぶきグループが18年にインキュベーション施設「co-ba」を高松市で開設するなど、起業家を育成する機運が高まっている。

県はさらに加速させるべく、地域課題の解決に取り組むスタートアップ企業への支援を始める。3300万円を計上し、15社程度の事業費の一部を補助する。県産品をうまく活用して地域振興に取り組む企業などを育てる。

企業集積の強みも生かす。徳島県は発光ダイオード(LED)関連で、産官学連携による光技術を使った新しい市場を創出する取り組みに13億7千万円を計上した。研究人材の育成・誘致のほか、徳島大学が中心となった研究開発を支援する。

四国の持続的な発展には、時代を担う子供への教育の充実も不可欠。愛媛県は、子供の自発性を育てるアクティブラーニング(能動的な学習)推進のため、全ての県立学校へのWi-Fi環境と電子黒板の整備を進める。電子黒板は23年度をメドに整備を完了させる。

■災害対策

 今後30年以内に70~80%の確率で起こるとされる南海トラフ地震への対策費を各県とも19年度予算案で手厚くしている。

高知県は南海トラフ地震対策で18年度予算比で13%増の343億円を盛り込んだ。地震の可能性が相対的に高まった場合に国から出される臨時情報に対応して市町村が避難所を開設・運用するための補助費用として、全国で初めて5億円を計上した。高齢者など要配慮者の個別の避難計画の作成を支援するための予算も拡充した。

香川県は家庭での防災対策を促すべく、家具類の転倒防止器具の設置支援に乗り出す。19年度予算案に475万円を計上。県防災士会の協力を得て、器具の取り付けを支援するほか、上限1万円で購入費の一部を補助する制度を創設する。

18年6月の大阪北部地震では、女子児童がブロック塀の下敷きになり亡くなった。徳島県は対策として、危険ブロック塀の「撤去」と「新設」をセットにした補助制度を新設。ブロック塀から県産材を利用した木製塀の設置促進を目指す。

愛媛県では西日本豪雨からの復興も引き続き課題。県は復興費として231億円を計上し、被災したかんきつ園地の復旧や、農家の営農継続などを支援。従来より園地の傾斜を緩めるなど、災害に強い園地に造り替える。

■働き方

外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が4月に施行する。これを見据え、愛媛県は外国人の生活相談体制の強化と、介護・農林業分野での受け入れ促進に4700万円を計上した。

ミカン栽培で愛媛と交流の深いスリランカからの研修生について、受け入れのモデルとなる仕組みづくりを目指す。受け入れを希望する農家の意識向上と情報交換を目的とした研修会も各地域で開催する。

働き方改革関連法も4月から順次、施行される。高知県は働き方改革で、企業の意識を高めるためにモデル優良事例集の作成や労働環境の実態調査を新たに始める。具体的な支援策として、働き方改革の実践支援アドバイザー派遣や改革を担う職場リーダーの養成も合わせて進める。香川県は主に中小企業を対象に、同法のポイントを説明する個別相談会などを開催する。

10月には消費税率の引き上げが予定され、同時に軽減税率制度が導入される。徳島県は増税に伴う消費者トラブルなどへの対応で、消費生活センターの機能強化を進める。

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