高島屋社長に村田常務「ビジネスモデルを作るのが大きな課題」
高島屋は15日、村田善郎常務(57)が3月1日付で社長に昇格する人事を正式発表した。木本茂社長(62)は子会社で不動産開発を手掛ける東神開発(東京・世田谷)の会長に転じ、鈴木弘治会長(73)は留任する。同日都内で開いた記者会見で村田氏は、「(新たな)ビジネスモデルを作るのが大きな課題」と決意を述べた。
高島屋は2016年にベトナム、18年にタイに出店し、日本橋店(東京・中央)の新館を完成させた。このタイミングでの交代について木本氏は「在任5年で刺激のあるプロジェクトを立ち上げられたことで区切りがついた」と説明。村田氏を選んだことについては「経営企画などを経験しておりリーダーシップを発揮してくれる」とした。
村田氏は労働組合の委員長を務め、海外店舗立ち上げにもかかわった。国内百貨店を取り巻く環境は厳しいが、「(行政などと進める)まちづくり戦略を推進するため東神開発との相乗効果を高める」と強調。グループ会社との連携を強化して、新たなビジネスモデルを作り上げる考えだ。
14年まで11年社長を務めた鈴木氏は、会長として経営を監督する立場を継続する。木本氏は東神開発の会長を鈴木氏から引き継ぎ、高島屋がグループ戦略上重視する商業施設開発や街づくりを担う。
村田 善郎氏(むらた・よしお)85年(昭60年)慶大法卒、高島屋入社。13年執行役員、15年常務。東京都出身。