2019年8月22日(木)

元徴用工問題、河野氏が資産売却に懸念 日韓外相会談

2019/2/16 0:00
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【ミュンヘン=江渕智弘】河野太郎外相は15日午前(日本時間同日夜)、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相とドイツのミュンヘンで約50分間会談した。元徴用工訴訟の原告側による資産売却の動きに懸念を伝え、韓国側の適切な対応を求めた。康氏は「綿密に検討する」と従来の見解を繰り返し、日韓関係を冷え込ませている諸問題の協議は平行線をたどった。

会談冒頭、韓国の康京和外相(右)と握手する河野外相(15日、ドイツ・ミュンヘン)=代表撮影・共同

会談冒頭、韓国の康京和外相(右)と握手する河野外相(15日、ドイツ・ミュンヘン)=代表撮影・共同

外相会談はスイスで1月23日に開いて以来、今年2回目。ドイツ開催の国際会議に出席する機会を捉えて調整した。会談の冒頭、河野氏は「いろいろ難しい状況だが率直に意見交換したい」と強調。康氏は「難しい懸案もあるが、外交当局が率直にコミュニケーションを図ることが重要だ」と応じた。

会談に先立ち、元徴用工訴訟の原告側代理人が新日鉄住金の資産売却手続きを始めると表明した。日本政府関係者によると河野氏は会談でこの動きに触れ「手続きが進めば日本も対応しないといけない。早く結論を出してほしい」と求めた。

日本政府は1月上旬、韓国政府に対し日韓請求権協定に基づく協議に応じるよう要請。2月12日に回答を督促したが「綿密に検討している」という反応しか届いていなかった。今回の会談で康氏は「世論との関係もある」と話し、明確な回答はしなかった。

河野氏は会談で、従軍慰安婦問題で天皇陛下の謝罪を求めた韓国国会の文喜相(ムン・ヒサン)議長の発言に抗議の意を示した。日本政府は会談前に外交ルートを通じて5回抗議しており、発言が不適切で遺憾だとする日本の立場を改めて伝えた。康氏からこの問題について発言はなかった。

北朝鮮問題については27、28両日にベトナムのハノイで開く予定の米朝首脳会談を前に、日米韓3カ国の連携を確認した。米朝会談後にポンペオ米国務長官を交えた日米韓外相会談を開く案も浮上するが、日韓関係の冷え込みが日米韓の結束に水を差す可能性もある。

日本政府は島根県が22日に松江市で開く「竹島の日」記念式典に内閣府政務官を派遣すると発表している。式典出席は7年連続で韓国は毎回抗議している。3月1日には韓国で、日本統治下で最大の抗日独立運動「三・一運動」から100年の行事が計画されており、河野氏は日韓関係へのさらなる悪影響につながることに懸念を表明した。

実際に資産売却手続きが進む場合、さらなる対抗措置も現実味を帯びる。自民党外交部会では駐韓大使の召還や防衛に関わる物品の韓国への輸出規制を求める声も出ている。韓国側からこのまま回答がない場合、第三国の委員を交えた仲裁委員会の設置申し入れも検討している。

米議会では超党派議員が日韓に関係改善を促す決議案を提出した。米国など国際社会に日本の主張の正当性を訴え、局面打開を図る考えもある。

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