2019年5月22日(水)

介護報酬改定案が決定、特定処遇改善加算を創設

2019/2/15 12:04
保存
共有
印刷
その他

日経メディカル Online

2019年10月に実施予定の19年度介護報酬改定において、「さらなる処遇改善」として創設される新加算の名称が「介護職員等特定処遇改善加算」(以下、特定処遇改善加算)に決まった。同加算は経験・技能のある介護職員などの賃金を他産業と遜色ない水準に高めることを目的に、現行の介護職員処遇改善加算に上乗せするもので、介護職員以外の職種にも一定程度の配分が可能な点などが特徴だ。その概要が2月13日に開催された社会保障審議会の介護給付費分科会で明らかになった。

■訪問介護は最大6.3%、通所介護は最大1.2%

特定処遇改善加算は介護職員処遇改善加算と同様にサービスごとに加算率が設けられている。加算(I)と加算(II)の2段階があり、加算(I)の加算率は、例えば訪問介護では6.3%、通所介護で1.2%、通所リハビリテーションで2.0%、介護老人保健施設で2.1%などとなっている。

介護職員等特定処遇改善加算の各サービスにおける加算率(出典:第168回介護給付費分科会[2019年2月13日]資料)

介護職員等特定処遇改善加算の各サービスにおける加算率(出典:第168回介護給付費分科会[2019年2月13日]資料)

加算(I)を算定できるのは、加算の取得要件(後述)を満たした上で訪問介護ならば特定事業所加算(I)または(II)、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は日常生活継続支援加算、通所介護や通所リハビリテーションなどはサービス提供体制強化加算の算定が要件だ。

なお、介護職員処遇改善加算の取り扱いと同様に、特定処遇改善加算でも訪問看護、訪問リハビリテーション、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、居宅介護支援(以上サービスは介護予防を含む)、居宅療養管理指導は対象に含まれない。

■新加算は柔軟な運用が可能に

特定処遇改善加算の取得要件は(1)現行の介護職員処遇改善加算(I)~(III)を取得していること(2)介護職員処遇改善加算の職場環境等要件に関して、複数の取り組みを行っていること(3)処遇改善加算に基づく取り組みについて、ホームページへの掲載などをしていること――がある。

介護職員等特定処遇改善加算の算定要件などのイメージ(出典:第168回介護給付費分科会[2019年2月13日]資料)

介護職員等特定処遇改善加算の算定要件などのイメージ(出典:第168回介護給付費分科会[2019年2月13日]資料)

当初、特定処遇改善加算の内容が明らかになる前は「勤続10年以上の介護福祉士に月8万円相当の処遇改善を行う」という「新しい政策パッケージ」の内容から「勤続10年以上の職員だけが対象」と思われがちだったが、配分する職員の勤続年数などは事業所の裁量で比較的柔軟に運用できそうだ。特定処遇改善加算において「勤続10年以上」という条件は、「年2000億円の原資を勤続10年以上の介護福祉士の賃金が月8万円相当アップできるように配分する場合、各サービスの加算率をどう求めるか」という加算率の計算根拠のみに用いられているからだ。

実際、特定処遇改善加算の算定要件には「勤続10年以上」との記載はなく、「経験・技能を有する介護福祉士のうち1人は、月8万円以上の賃金改善の見込みまたは改善後の賃金が年440万円以上」などと規定されている。通知類でも勤続年数についての厳密な要件は設けられない可能性が高い。今後、特定処遇改善加算に関する細部の通知類や、改善計画書・実績報告書など算定に必要な様式類などは、3月末までをめどに発出される見通しだ。

(日経ヘルスケア 永井学)

[日経メディカル Online 2019年2月14日掲載]

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報