2019年5月24日(金)

英議会、「EUとの継続協議」を否決 メイ首相窮地に

2019/2/15 3:44
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【ロンドン=中島裕介】英議会下院は14日、欧州連合(EU)離脱をめぐり「アイルランドの国境問題の対応策についてEUと継続協議する」というメイ首相の方針を反対多数で否決した。採決に法的拘束力はないとはいえ、議会の後ろ盾を失ったことはメイ首相にとっては打撃になる。2018年11月に英・EUで合意した離脱案の修正によって3月末までに円滑に離脱する道はいっそう険しくなった。

英首相官邸は議会の結果に関わらず、EUとの協議を続ける姿勢を示す=AP

英首相官邸は議会の結果に関わらず、EUとの協議を続ける姿勢を示す=AP

採決には下院議員650人のうち、議長団などを除いた議員が参加。賛成258票、反対303票だった。与党・保守党の強硬離脱派など60人以上が採決を棄権したため最大野党・労働党を中心とした反対票が上回った。労働党のコービン党首は採決後「メイ首相は自らの戦略が失敗だと認めるべきだ」と強調した。

強硬派が棄権したのは、メイ政権が「合意なき離脱」をはっきりと選択肢に残していないと判断したためだ。強硬派は英側が「合意なし」も辞さない姿勢を示すことで、EUへの交渉力になると主張していた。一方、1月29日の議会で「合意なき離脱に反対する」という動議が賛成多数で可決されており、メイ政権は強硬派の揺さぶりに対処できない状況だった。

今回の採決は法的拘束力がないため、議会の意思にかかわらずメイ氏がEUと協議を続けることは可能だ。ロイター通信によると英首相官邸の報道官は「国境問題の対応策について法的拘束力を伴う変更をめざし続ける」とコメントした。ただメイ氏は1月の議会の結論を踏まえ「国境問題の対応策の修正は議会の意思だ」と、議会の後ろ盾をEUへの説得材料にしてきた。

もともとEU側は英政府と合意した離脱協定案の修正には応じない構えだったが、議会の支持を失ったことでメイ氏の主張の正当性が薄れるのは確実だ。離脱まで40日あまりに迫るなかで離脱協議の混迷はいっそう深まり、26日までに合意案をまとめるとしていたメイ首相の方針は見通せなくなった。今後、合意なき離脱を回避するための「離脱延期」や「2度目の国民投票」を求める声も勢いを増しそうだ。

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