2019年3月24日(日)

次の主力は「半導体レーザー」 日亜化学が新生産棟

エレクトロニクス
中国・四国
2019/2/15 6:45
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日亜化学工業(徳島県阿南市)が半導体レーザー(LD)増産に向け建設していた新しい生産棟が完成した。本格稼働は2020年2月ごろを予定。LDは今後、映像、医療用など用途の広がりで市場の急成長が予想される。日亜化では20年度のLDの売上高を17年度実績比2倍強の500億円を見込んでいる。

日亜化がLED(発光ダイオード)に次ぐ光半導体事業の柱として育成を目指す半導体レーザー(LD)

日亜化学工業が建設していた半導体レーザーの新生産棟が完成した(徳島県阿南市)

日亜化で光半導体事業を統括する岸明人専務は14日開いた記者会見で「LDは現在主力の発光ダイオード(LED)を超える事業になる可能性がある」(岸専務)と期待を込めた。

新生産棟は本社工場(阿南市)敷地内に地上8階建て、延べ床面積約3万平方メートルで1月末に竣工した。建物の建設費は約120億円。現在、LDの生産機械の搬入を始めており、本格稼働時には200機程度の機械を配置する。LDの生産能力は現在の3倍超になる。

新生産棟では生産機械の設置とともに試験的な生産も開始。年内は品質検証の期間にあて、実際の製品出荷は20年からを予定している。生産設備の総投資額は約110億円を見込む。本格稼働に合わせ新規に150~200人を採用する。

日亜化が手掛けるLDはガリウムと窒素の結晶からつくるGaN系LDで、ブルーレイ・ディスク用として普及が始まった。現在は波長域を長くしたLDの製品化や高出力化の開発が進んでおり、プロジェクターの光源といった映像分野や内視鏡など医療分野へ用途が広がっている。

18年度の同社のLDの売上高は約278億円で、光半導体事業の約10%を占める。19年度のLD売上高は4割増となる390億円、新生産棟が稼働する20年度は500億円に拡大する見通し。同社は「LD売上高500億円は通過点であり、早期に1000億円規模を目指す」(岸専務)と強気の計画を立てている。

主力のLEDは照明向けなどが中国やアジア勢との価格競争によって伸び悩んでいるほか、スマートフォンの液晶バックライトも減速傾向がみえてきた。一方、LDは足元でプロジェクター向け光源としての需要が着実に伸びてきている。日亜化によるとプロジェクター光源でのGaN系LDの世界シェアは9割を超えているという。

従来のプロジェクターは光源に水銀ランプを採用している製品が約9割を占めるが、ランプには寿命があり、一定の使用時間で交換が必要だった。LDを光源にしたプロジェクターは高輝度かつ長寿命が特長のため、今後の置き換え需要増が期待できる。さらにDNA解析装置や内視鏡など医療分野への応用も急速に広がっている。同社では様々な波長のLDの開発に加え、波長ごとの高出力化を実現させて用途開拓をユーザーと進めていく考えだ。(長谷川岳志)

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