/

テロで27人死亡 イラン大統領「米などが支援」

【ワルシャワ=岐部秀光】イラン南東部のパキスタン国境に近いザヘダン周辺で13日、イラン革命防衛隊を狙った自爆テロが起き、少なくとも27人が死亡した。イスラム教スンニ派の分離独立派組織が犯行声明を出した。イラン政府は背後に米国や親米中東諸国があるとの見方を示し対決姿勢を強めている。

イラン国営メディアによると、ロウハニ大統領は14日「ホワイトハウスとテルアビブによるテロ支援の汚れた記録として歴史に刻まれるだろう」と述べ、米国やイスラエルがテロを支援したとの見方を示した。ただ、外国が支援したという根拠は示さなかった。ザリフ外相も「ワルシャワのサーカス(米主催の中東会議)が始まったその日にイランがテロに見舞われたのは偶然でない」と指摘した。

ロウハニ師は本来は国際社会との協調を訴える穏健派だ。しかし米国との対立が深まる中、イラン国内では反米の保守強硬派が発言力を増す。ロウハニ師も弱腰と取られるような態度は見せにくくなっているもようだ。

中東ではイランとサウジアラビアの覇権争いが激しくなる中、間隙を突いて過激派の活動が活発になる恐れがある。

イランでは2018年9月にも南西部アフワズで、軍事パレードを狙ったテロがあり、革命防衛隊の隊員ら25人が死亡した。17年6月には国会議事堂と(初代最高指導者の)ホメイニ聖廟(せいびょう)を武装集団が同時に襲った。

スンニ派の過激派組織からみれば、イランもサウジも同様に憎むべき敵だ。シーア派の支配体制は「異端」と映る。女性の自動車運転を認めるなど近代化を進めるサウジの動きも「裏切り」と受け止めている可能性が大きい。

イランもサウジも過激派のテロを巡って互いの責任を非難する。だが、過激主義思想が中東に広まる背景には、民主化が進まず、政治指導者へ合法的に異を唱える道が限られる現状がある。アラブ諸国の多くには、穏健なイスラム主義者の声をすくい取る政治組織が少ない。シーア派の政教一致体制にあるイランでもスンニ派など少数派の声は、かき消されがちだ。

中東の民主化や安定に向けた長期的な責任を担える国はいまのところ米国のほかに見当たらない。にもかかわらず、中東の現実より公約実現を優先し、シリア駐留米軍の撤収を急ぐトランプ米政権の中東政策は明確な戦略がみえにくい。欧州諸国などの同盟国にも混乱をもたらしている。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン