2019年8月23日(金)

新潟市19年度予算案 一般会計2年ぶり増

2019/2/15 0:00
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新潟市は14日、2019年度予算案を発表した。一般会計の総額は18年度当初比3.2%増の3922億円で、2年ぶりに前年度を上回る増額予算となった。18年11月に就任した中原八一市長にとって初の予算編成で、子育て支援や中心市街地の活性化、産業振興など同市長が選挙戦で掲げた公約実現に力点を置いた。

19年度予算案について説明する新潟市の中原八一市長(14日、新潟市)

予算案の編成では事務事業点検により157事業を見直し、7億9800万円の歳出を削減。さらに65人の職員削減など定員の適正化で、4億4400万円を捻出した。

同日記者会見した中原市長は「限られた時間の中、活力ある新潟市のための取り組みと市民の安心感を得る点で、バランスのとれた予算編成ができた」と語った。

個別の施策では、子どもを産み育てやすい環境づくりに重点を置いた。親世代の経済負担の軽減に向け、従来は小学6年生までだった通院費の助成対象を、4月から中学3年生まで拡大する。さらに7つの私立保育園の新設や増改築の支援により、400人以上の保育定員増加を見込む。

市街地活性化では新潟駅前から万代、古町を結ぶ空間の活用推進に向けた新事業に600万円を計上した。

大型店の撤退などで空洞化が懸念される古町では、空き店舗活用に向けた支援を拡充する。老舗料亭などが密集している古町花街地区では、石畳の舗装で街路を整備する19年度からの新規事業に4500万円を盛った。

使い勝手が良くないなどの課題を抱えるバス高速輸送システム(BRT)については、乗り換え負担軽減に向けた事業に1879万円を盛り込んだ。

経済活性化に向けては、成長分野である航空機産業に引き続き注力する。品質マニュアルの策定支援などに向けた新事業に1700万円を投じる。農業の担い手育成や輸出促進に向けた支援策も内容を拡充させる。

今後はG20農業大臣会合やJRグループの大型観光企画など多くのイベントが予定されている。20年の東京五輪開催も視野に、市の魅力、文化の発信にも力を入れる。

予算増額の要因は普通建設事業費が453億円と、前年度から98億円増えることが大きい。古町の旧大和新潟店跡地の再開発ビルに入居する「ふるまち庁舎(仮称)」の整備費用などが含まれ、JR新潟駅周辺の整備事業も引き続き推進する。

19年度予算案は19日に開会予定の市議会2月定例会に提出する。

■BRT改善は限定的

中原八一市長の就任後初となった新潟市の2019年度予算案は、中心市街地の活性化など18年秋の市長選で同市長が掲げた公約が一部反映された。一方、市民の関心が高いバス高速輸送システム(BRT)の見直しについては限定的な改善にとどまった。

選挙戦では「国と県との連携」を強調した中原氏。初の予算案では昨年7月に県と市が共同で策定した新潟駅から万代、古町までの「新潟都心の都市デザイン」に基づく市の拠点化推進に向けて、複数の新規事業を打ち出した。

他にも航空機部品の地域での一貫受注・生産体制の構築支援、子育て支援など、公約の実現に向けて複数の新施策を盛り込んだ。

一方で、具体策に乏しい内容もある。中原氏は選挙戦でBRTの見直しを公約に掲げたが、予算案に盛り込まれたのは西区・青山の交通結節点での雨よけ設置の検討や、万代シテイでの運行情報案内板の設置など。使い勝手の改善は限定的になりそうだ。

中原氏は具体的な改善の方向性について「事業者(新潟交通)と結んでいる協定の中身を見据えながら、どういうことをやるか考えたい」と語った。

重要課題である財政健全化に向けては、19年度は市の貯金にあたる基金について、18年度より3億円多い5億円を積み増す計画を掲げた。それでも20年3月時点の基金残高は40億円にとどまるなど、依然として厳しい財政状況が続く。

19年度の半ばまでには、市の財政基盤の強化に向けて「集中改革プラン(仮称)」を策定する予定だ。

公約実現と財政改革の両立に向けて、中原市長の指導力が試される。

(松添亮甫)

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