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自然災害への企業の危機意識上昇、トーマツ調べ

国内企業の自然災害に対する危機意識がこれまで以上に高まっている――。監査法人のトーマツが実施した2018年の調査でこんな結果が明らかになった。国内で最も優先して対応すべきリスクとして「自然災害」を挙げた企業は前年より6ポイント上昇して4割を超えた。地震や豪雨などの災害が相次ぐなか、各社の災害への対応力が一段と問われている。

日本に本社を置く上場企業を対象に18年10~11月に調査。経済環境や自然災害、人材・労務関連、ガバナンスなど幅広い分野の41項目について、優先すべき課題などを聞いた。430社からの回答を集計した。

優先して対応すべきリスクについて複数回答で聞いたところ「地震・風水害など災害の発生」が41.9%で最も多かった。17年の調査に比べても6.0ポイント上昇した。これに、「人材流出、人材獲得の困難による人手不足」(28.3%)、「法令順守違反」(24.6%)、「製品・サービスの品質チェック体制の不備」(20.5%)が続いた。

災害の発生が他のリスクに比べて特に多かったことについて、トーマツの中沢可武シニアマネジャーは「18年は自然災害が相次いだ。工場の操業停止などの危機に直面した企業が多く、危機意識が高まった」とみる。実際に直面したリスクを複数回答で聞いた結果でも自然災害関連が32.8%と際立って多く、前回の12.6%から大幅に増えた。

人手不足は17年調査では23.6%で法令順守違反に次いで3位だったが、18年は4.7ポイント上昇して2位になった。一方、順位は変わらないものの「過労死、長時間労働など労務問題の発生」という回答は4.6ポイント減った。人手不足に加えて働き方改革法の施行が近づくなか、労働環境の改善に取り組む企業が増えたことなどが背景にあるようだ。

危機に対する対応はどうか。実際に危機対応の経験を持つ企業を対象に最も上手に対応できたことを3つまで聞いたところ、「事実の把握」(74.2%)が最も多く、「危機対応組織の立ち上げと運営」(55.8%)、「暫定措置・被害の拡大を回避するための措置」(51.9%)が続いた。一方で顧客や近隣住民など利害関係者とのコミュニケーションは20%台にとどまった。

同時にまとめた日本企業のアジアの子会社413社の経営トップを対象にした調査では、優先すべきリスク課題として「法令順守違反」(34.3%)が最も多くなった。「市場における価格競争」(30.7%)、「人材不足」(24%)が続いた。人材不足は17年調査の18.6%から大幅に上昇。トーマツは「アジアの経済成長を背景に人材争奪戦が激しくなっている」としている。

(宇賀神宰司)

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