2019年3月20日(水)

「ゲームにかける」 eスポーツ選手の夢と不安
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2019/2/17 16:00
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国内外で高まる「eスポーツ」人気。腕に覚えあるゲーム名人たちが連日、各地の大会で覇を競う。ただ賞金で生計を立てられるプロはわずかだ。仕事を終え未明まで練習する会社員、通学の車窓で動体視力を鍛える学生……。一流を目指す彼らの日常を追った。(細田琢朗)

練習に励むeスポーツ選手の青山和矢さん(愛知県一宮市)

練習に励むeスポーツ選手の青山和矢さん(愛知県一宮市)

「少し苦手な戦術の相手。でもそこまで強くない。いずれ得点できるタイミングが来る」

サッカー解説者の弁ではない。愛知県一宮市のアパート。青山和矢さん(32)は人気サッカーゲーム「ウイニングイレブン」(ウイイレ)でスコアレスに終わった前半を淡々と振り返った。24インチのモニターの向こうにいるのはオンラインで見つけた相手だ。宣言通り、後半に得点し1対0で勝利した。

運送会社で働く青山さんは帰宅後、こうした練習を5~6時間続ける。30試合以上プレーする日もある。録画し、失点シーンから守備のほころびを分析するのが日課だ。

この日は3人1組で出場する大会に向け、SNS(交流サイト)でつながったチームメートとも練習した。「足元じゃなくてスペースに出して」「いま、センタリング」。マイク付きのイヤホンをつけて、互いに指示を飛ばす。未明まで試合を重ねた。

その間、妻(33)は隣の部屋のテレビを眺めていた。1年前に大会の賞金で買ってくれた10万円のポーチを大事にしている。「応援はしているけど、安定した収入が一番。のめり込みすぎるのは困る」

青山さんは2017年版の「ウイイレ」との相性がよく、急激に強くなった。国内大会の賞金に加えて企業主催のイベントの仕事も定期的に入るようになり、ここ2年間で80万円近く稼いだ。競技団体の公認ライセンスを持つ16人のうちの1人でもある。18年に愛知県内の中小企業が運営するチームに加入、遠征費の支援も受ける。

ただ欧米などではウイイレの知名度はそれほどでもなく、高額賞金の大会は少ない。「選手」の多くは収入を仕事やアルバイトに頼っている。青山さんは「積極的に講演や解説の仕事を探し、ゲームで食べていけるようになりたい」と語る。

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