監査法人トーマツ、罰金2億円支払い 米SEC発表

2019/2/14 9:52
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【ニューヨーク=宮本岳則】米証券取引委員会(SEC)は13日、監査法人トーマツが会計監査の独立性ルールに違反し、200万ドル(約2億2000万円)の罰金を支払うと発表した。トーマツ元幹部は同法人が監査を担当する金融機関の口座に一定基準を上回る金額を預けていた。「独立性が損なわれた状態」で監査報告書が提出されていた上に、法人内の監督体制も不十分で、今回の処分につながった。

米SECはトーマツの対応を問題視した=ロイター

SECの発表によるとトーマツの元最高経営責任者(CEO)である天野太道氏が独立性ルールに違反した。金融機関名は公表されていないが、米ニューヨーク証券取引所に上場する三菱UFJフィナンシャル・グループとみられる。三菱UFJが2015年にSECに提出した資料で、トーマツ幹部の預金残高が限度額を超え、独立性ルールに抵触していたと開示していた。天野氏は同年7月末にトーマツのCEO職を辞任した。

SECのルールでは会計監査の独立性を保つために、監査法人の幹部や監査チームのスタッフが、監査担当企業の銀行口座に一定水準を超す金額を預けないように求めている。日本企業の場合、預金保険機構の保険限度額(1千万円)がこの水準に当てはまる。天野氏は三菱UFJ傘下の銀行に口座を持ち、預金額が一定期間、1千万円を超えていたとみられる。この間、三菱UFJはトーマツの監査報告書を添付してSECに財務書類を提出していた。

SECによると天野氏の違反は14年3月にトーマツ内で発見されたが、監査先の金融機関に伝達されたのは15年に入ってからだった。さらに別の調査によってトーマツに所属する計88人が「独立性ルール」に違反していたことが判明したという。SECはトーマツの違反発見後の対応のまずさや、ずさんな監督体制を問題視し、今回の重い処分につながった。

トーマツは「品質管理態勢への影響はない。今後とも監査品質の向上に最善を尽くす」とコメントした。

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