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東芝、利益率ゼロ%台からの再始動

2019/2/14 2:00
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東芝は13日、2019年3月期の本業のもうけを示す連結営業利益(米国会計基準)が前期比77%減の200億円になると発表した。昨年11月から400億円引き下げた。エネルギー関連での追加費用など一過性のコストが主因だが、底流には半導体なき後の稼ぎ頭不在という問題が横たわる。4月には「新生・東芝」としての中期経営計画が始まるが、今期の売上高営業利益率は0%台に低下。まさにゼロからのスタートとなる。

下方修正の理由は主に3つある。まずエネルギー関連の送変電・配電システムの国内案件などで追加費用が発生。引き当て処理が170億円の減益要因になった。

次に半導体製造装置を手掛ける上場子会社、ニューフレアテクノロジーの株価下落だ。世界的な半導体株安を受け約180億円の減損損失を計上する。記者会見で東芝の平田政善・代表執行役専務は「下方修正は一過性費用が原因で(プラントなどで)リスクがあるものは早急に引き当て処理した結果」と言う。

最後が売却した半導体子会社、東芝メモリの影響だ。営業損益には反映されないが、売却後も引き続き持ち分法適用会社のため、最終損益段階に影響する。

19年3月期の純利益は8%増の8700億円を見込む。1兆円規模の東芝メモリ売却益があるが11月からは500億円引き下げた。半導体の価格下落に加え、米ベインキャピタルなど日米韓連合が買収後に資産を精査した結果、在庫などで新たな費用処理が発生する。

一時は5千億円近い利益を稼いだ東芝メモリ。代わりの収益源育成を急ぐが結果は出ていない。

下方修正で日立製作所など国内のライバルとの差は一段と開いた。東芝の売上高営業利益率は今期予想で0.6%。日立(8%)や三菱電機(6.3%)の背中は遠い。

部門の利益率でみると日立はあらゆるモノがネットにつながるIoTなどの情報・通信部門、三菱電機はFA(工場自動化)機器などの産業メカトロニクス部門など、それぞれ10%の利益率を誇る大黒柱を持つ。一方、今の東芝で最も利益率が高いのは東芝テックが手がけるPOSシステムなどの部門だが4%程度で売り上げ規模もあまり大きくない。今後の成長をけん引するのはインフラ事業(鉄道や電池など)だが利益率は3%弱だ。

半導体以外の収益源がないのは、15年の不正会計や16年の米原発事業の巨額損失問題で経営が大きく揺れ、成長投資ができなかった後遺症といえる。

成長投資にカジを切り周回遅れを取り戻すための起爆剤が来期から5年の中計だ。設備投資と研究開発に1兆7千億円超を投じる。既に鉄道や自動車に使うリチウムイオン電池の工場新設を決め、昨年4月に就任した車谷暢昭・会長兼最高経営責任者の肝煎りのIoTにも注力する。

IoTでは日本IBMの元技術理事やシーメンス日本法人の元専務執行役員を招いた。エネルギーやインフラなどの事業担当が既存事業のIoT展開を議論する全社横断の取り組みも始まった。

だが、IoTは日立や独シーメンスなどライバルが先行する分野で競争は厳しい。中計初年度となる来期は調達費削減などで連結営業利益1400億円を目指すが、業績回復に手間取れば物言う株主から再び圧力が強まる可能性もある。

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