2019年6月25日(火)

自動運転地図データ日米で連合 背中押したネット大手の勢い

2019/2/13 20:23
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トヨタ自動車などが出資するダイナミックマップ基盤(DMP、東京・港)は13日、米ゼネラル・モーターズ(GM)系の地図データ会社の買収に合意したと発表した。自動運転に使う地図データは米国ではグーグルグループが、中国では百度やアリババ集団などが整備を進める。日米の自動車メーカーが後押しする連合の裏には存在感を増すネット大手への依存を避ける狙いがある。

今回、買収に合意したのはGM系の米競合アシャー。金額は200億円弱とみられる。買収や地図整備の資金として、筆頭株主のINCJ(旧産業革新機構)、三菱電機などから最大220億円を追加調達する。ただし、買収完了には米政府の審査が必要となる。

13日の発表会見でINCJの土田誠行専務は「グーグル、アップルが参入する極めて厳しい市場だが、積極投資で業界標準を獲得する」と支援意図を説明した。

アシャーの筆頭株主はGMのベンチャーキャピタルで、GMは売却でいったん利益を確定させるが、今後再度出資する可能性もある。

アシャーはグーグルGを除けば米国最有力の地図基盤データ会社で、GMは長期契約を結んでいる。路面や車線など詳細な道路情報を含み、月単位でデータ更新する。会見にGMのジョン・ロークナー最高技術責任者が「同社の高精細地図は運転支援技術の進化に重要な役割を果たしている」とのコメントを寄せた。

今回の取引は日本の自動車連合と、GMの実質上の提携の意味合いが強い。地図基盤のような差がつきにくいデータ分野では規格を共通化した方が開発コストが下がる。日米車大手にとっては基盤の共通化で渋滞・危険の回避など、より高付加価値のサービス開発に集中できる利点がある。

自動車大手はグーグルGとの激烈な開発競争に直面している。地図整備まで自前で手がけるグーグル系ウェイモが運用する自動運転車はすでに6万台を超す規模で、増加ペースを上げている。グーグルGに地図のインフラで依存したくないのが本音だ。

自動車データの「ブロック経済化」も不安材料だ。中国では自動運転実験の規制緩和が急速に進むが、公道実験が認められるのは基本的に国内企業だけ。外資系企業は直接データを扱えない。データの権利を明け渡す形で現地企業と提携せざるを得ない。地元企業に圧倒的に優位な開発環境にある。収益源である米中市場で競争環境が悪化する中、日米の自動車大手はその距離を縮めている。(データエコノミー取材班 兼松雄一郎)

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