新潟県19年度予算案 一般会計3年ぶり増額

2019/2/14 0:00
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新潟県は13日、一般会計の総額が2018年度当初比1.7%増の1兆2597億円になる19年度予算案を発表した。一般会計の増額は3年ぶり。花角英世知事が重点政策として掲げる防災・減災対策には、12%増の2142億円を投じる。一方、県財政は人口減などを背景に逼迫している。基金残高を取り崩して対応するが、財政改革は待ったなしだ。

2019年度の当初予算を発表する新潟県の花角英世知事

18年6月に就任した花角知事が初めて全ての過程に加わる予算編成となった。13日の記者会見で花角知事は「県の目指す姿である『住んでよし、訪れてよし』を実現するための第一歩となる予算になった」と述べた。

県の財政状況が悪化するなか、部局ごとに割り当てる予算枠を18年度比1割減らす概算要求基準(シーリング)を11年ぶりに設定。20億円を捻出するなど、歳入確保に努めた。県の貯金に当たる基金を18年度より4割多い134億円繰り入れ、歳入に当てた。

予算案では「住んでよし、訪れてよしの新潟県」の実現に向け、11の重点政策を掲げた。最重要項目は、防災・減災対策。治水・土砂災害対策など重要インフラの整備に807億円を盛り込み、スマートフォンで防災情報が確認できるアプリの作成などソフト対策も強化する。

防災・減災に関わる計2142億円の事業が、全体額を押し上げる要因となった。国の緊急対策予算を活用し「将来を含め、県として行うべき事業を19年度に集中的に実施し、中長期的な財政負担の軽減につなげるため」(花角知事)としている。

柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を巡る検証作業にも、引き続き注力する。今秋の実施を検討している住民を交えた実動避難訓練など、安全な避難方法の検証に3279万円を計上した。

交流人口の拡大に向けては、外国人観光客の誘致事業を加速する。スキーなど雪をテーマにした体験型の旅行客の増加に向けて、新たな市場として東南アジアに着目。現地での観光説明会の開催や、受け入れ体制の整備を進める。

人口減少への対応も喫緊の課題だ。花角知事は「雇用の場の確保や、自己実現できる場が新潟にあることが、人口減問題への究極の手立て」と話した。

起業や創業の推進、県外の若者が県内で就職する「U・Iターン」を促進する施策などを打ち出す。

予算案は18日開会予定の県議会の2月定例会に提出する。

■基金残高、枯渇見込み

新潟県の財政運営はかつてないほど厳しい状況に置かれている。県の貯金に当たる基金残高は2018年度末で406億円だが、財源確保のための取り崩しで19年度末には322億円に減少する見込み。県は「今後、歳入歳出改革が進まない場合、21年度末には基金が枯渇する」という見通しを公表した。

自治体財政の健全性を示す指標で、自治体の収入に占める負債返済の比率を示す実質公債費比率は19年度に16.6%まで高まる。18%を超えると県債の発行に総務相の許可が必要な「起債許可団体」となるが、このままでは22年度にも基準値を超える見通しだ。

財政悪化の主な要因は、県税や地方交付税の減少。所得の伸びが全国に比べ低いことや、景気回復が県全体に及んでいないことを背景に、県税収入は5年連続で全国の伸びを下回った。地方交付税も人口減少などを背景に8年連続減っている。一方、社会保障関係経費などは17年度に13年度比15%増の1102億円になるなど、増加の一途をたどる。

花角知事も「非常に危機的な状況」とみている。「与えられた状況下で最善の手を尽くしていく」とし、知事をトップとした「財政改革推進会議(仮称)」を早期に立ち上げ、外部有識者も交えて秋までに財政改革に取り組む行動プランを作成する。

記者会見で花角知事は「聖域なき改革」「痛みの伴う改革」と、かつて国の財政改革で使われた言葉を引用し、県財政の危機的状況を表した。少子化や人口減少を食い止めながら、改革のメスを入れるという難しい課題と向き合う。就任2年目となる花角知事の真価が問われている。

(斉藤美保)

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