2019年3月20日(水)

可燃ごみを固体燃料に、静大が高圧水蒸気使う新技術

環境エネ・素材
南関東・静岡
2019/2/13 22:00
保存
共有
印刷
その他

現在70億人を超える世界の人口は、2055年には100億人を上回るとされる。人口爆発が生む大きな問題の一つが、ごみの処理だ。静岡大学はこのほどごみを燃料として再利用できる新たな技術を開発した。都市部を中心としてごみ問題に悩む中国の企業と組み、実用化に向けた実証実験に乗り出す。

高温高圧の水蒸気で可燃ごみを固体燃料に変える新技術を開発

開発したのは生ごみ、プラスチックごみといった可燃性の混合廃棄物を固体燃料に変える技術。セ氏180~200度の水蒸気を10~16気圧の高圧状態でとじ込めた「水熱固体燃料化装置」の中に30分間入れてゆっくりかき混ぜると、固体燃料ができあがる。

製造した燃料は石炭並みの高い発熱量が得られるため、ボイラーやストーブなどのほか発電にも使えるという。「燃焼時に有害なガスが発生せず、長期間保存できるのも利点」(静大の佐古猛特任教授)だ。

「計算上は1キログラムの廃棄物から作った固体燃料を使えば、0.5キログラムの石炭を節約できる」(同)。ビニール袋やペットボトルなどが海に流出することから起き、世界的に社会問題となっている「海洋プラスチックゴミ」などの環境汚染対策にもつながる。

特に高い興味を示すのが中国だ。静大と共同で実用化を目指す広東省の企業、中山市一言工業設備の東方暁社長は「中国では現在、生活ゴミを中心とした都市ごみも郊外で埋め立てられるのが一般的。埋め立て地の不足や悪臭が問題になっている」という。

「環境問題への意識の高まりから、ごみ処理の新技術開発には行政も民間も非常に関心を持っている」(同)。本社を置く同省中山市の支援を受け、3月から中国での実用化に向けた研究と実証実験が始まる予定だ。

実現すれば、ごみの山が資源の山に変わる。AI(人工知能)やロボットを使って金属やガラスなどの不燃物や塩素含有物を取り除く技術を確立しつつ、22年12月まで3年間かけて段階的に設備を大型化。23年の実用化を目指している。(伊神賢人)

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報