広がるブロックチェーン革命、仮想通貨に続く10業種

CBインサイツ
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2019/2/18 2:00
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6.重要インフラのセキュリティー

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」機器を筆頭に、現在のネットのアーキテクチャーはハッキングされやすいことが明らかになっている。発電所や輸送などの重要インフラには全てネットに接続している「コネクテッドセンサー」が搭載されているため、市民社会へのリスクは大きい。例えば、米Xage Security (ゼイジ・セキュリティー)などの企業はブロックチェーンの改ざん耐性を生かし、産業用IoT機器ネットワークで安全なデータを提供している。

ブロックチェーンの台帳はオープンだが、データは最先端の暗号技術を使って送受信され、検証される。つまり、データは確実に適切な発信源から届き、途中で傍受されることもない。この技術のサイバー防衛能力は従来のシステムよりも高いため、ブロックチェーンがもっと広く使われるようになれば、ハッキングの可能性は減るかもしれない。

もう一つの用途は大規模なデータ認証だ。例えば、エストニアのサイバーセキュリティー企業Guardtime(ガードタイム)は、ブロックチェーン技術「KSI(キーレス署名インフラ)」でデータ取引を識別・検証する。

7.ライドシェア

米ウーバーテクノロジーズや米リフトなどの配車アプリは分散化の対極にある。各社は基本的に配車拠点であり、アルゴリズムを使って運転手を管理し、料金を決めるからだ。だがブロックチェーンを使えば、この仕組みに新たな選択肢を持たせることが可能になる。運転手と乗客はもっと利用者向けで価格重視の市場を構築できるからだ。

例えば、米スタートアップ企業Arcade City(アーケードシティー)はブロックチェーンを活用したシステムで全ての取引を進める。同社の運営方法は他のライドシェア企業と似ているが、ブロックチェーンが全ての取引を記録してくれるため、運転手は自分で料金を決めることができる。アーケードシティーは料金の一定の割合を受け取る。

こうした仕組みにより、アーケードシティーは企業の拠点から管理されるのではなく、独自の送迎ビジネスを築きたいプロの運転手にアピールできる。同社の運転手は自由に独自料金を設定し、常連客を増やし、宅配や車のけん引など他のサービスを提供できる。

8.ネット広告

インターネットは周知のとおり、広告媒体としての特別な役割を伴って登場した。広告のせいでウェブページの読み込みに使うモバイルデータ量は大幅に増え、広告主も消費者もルールの欠如に悩まされている。

米Brave(ブレイブ)はこのほど、広告主とユーザーに報いるためにICOで「ベーシック・アテンション・トークン(BAT)」を配布した。広告主は米グーグルやフェイスブックの広告部門のような仲介者を通さず、ブロックチェーンを使ったブレイブのブラウザーに広告を直接掲載する。広告の表示を選んだユーザーは、数は少ないが、マルウエア(悪意のあるプログラム)がなく対象が的確に絞られた広告を受信する。広告主もより優れたデータを得られる。

9.暗号取引所

ブロックチェーンが従来のサイバーセキュリティーのリスクを軽減する一つの方法は、人間の仲介を不要にし、ハッキングや不正行為、人的ミスの脅威を減らすことだ。

皮肉なことに、最も成功しているブロックチェーン企業の一部はかなり中央集権的な仲介者で、多くの新たなプロジェクトは取引所を丸ごとブロックチェーン上に設置し、仮想通貨の売買を「実証実験」している。

この分野で注目を集めているのは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)とフライブリッジ・キャピタル・パートナーズの支援を受けているとされる米Enigma(エニグマ)だ。エニグマは第三者の介在なしに決済機関の機能を果たすオフチェーンの分散型交換・投資取引所「カタリスト」を開発している。

イーサリアム上に構築された分散型交換所「0x」も注目されている。

10.教育・学問

学歴は本来、広く認められ、証明できなくてはならない。小中学校でも大学でも、卒業証明書はいまだに主に手作業で発行されている(紙の書類の割合が高く、個別にチェックするからだ)。

教育分野でブロックチェーンを使った解決策が普及すれば、証明手続きは効率化され、学歴詐称を減らせる。

例えば、ソニー・グローバル・エデュケーションは米IBMと提携し、ブロックチェーンを使って生徒の記録を保護・共有する新しい教育プラットフォームを開発している。

創業から10年の米ソフトウエア会社Learning Machine(ラーニングマシン)はMITメディアラボと協力し、ブロックチェーン上で卒業証書を発行する「ブロックサーツ」を提供している。

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