住商とトモズ、調剤を自動化 待ち時間平均15分に短縮
薬剤師の業務効率化へ

住友商事は13日、傘下のドラッグストアのトモズと組み、薬剤師の調剤業務の一部を自動化する実証実験を始めた。薬局併設店で、患者の処方箋に応じて医薬品を棚から取る収集作業と、量る、混ぜる、袋分けする、という「調製」の9割を自動化する。来店した患者の待ち時間を減らし、薬剤師が患者との対面業務に時間を割けるようにする。
住商は13日、薬局の作業の一部を自動化した「トモズ松戸新田店」(千葉県松戸市)の調剤室を報道陣に公開した。同店では、粉末や液体の薬を自動で調合したり、錠剤を一度に飲む量に小分けしたりする機械計7台を新たに導入している。
薬を小分けする装置には、136種類の錠剤やカプセルを常備している。薬剤師が患者から処方箋を受け取り、内容をパソコンに打ち込むと、瞬時に調剤作業が始まる。
在宅医療を受ける患者は10種類以上の薬を朝・昼・夜によって飲み分ける場合も多い。これまで薬の小分けや確認作業には、平均で30分から1時間かかっていたという。トモズの山口義之取締役は「薬局での待ち時間を平均15分以下に抑えたい」と話す。
また事業を主導する住商ヘルスケア事業部の小室伊都子氏は「トモズ松戸新田店では店舗業務に12人の薬剤師が必要だったが、10人で済むようになる。効率化が進む分、薬剤師が患者宅を訪問する仕事などに充てたい」と期待する。政府は医療費の削減につなげるため在宅医療への積極参加を薬局に促している。自動化をきっかけに薬剤師が在宅医療の分野に進出する動きに弾みがつきそうだ。(池下祐磨)
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