2019年7月21日(日)

勝利のメンタリティー(山本昌邦)

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ハーフタイムにも成長 サッカー日本の高き修正力

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2019/2/15 6:30
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試合前に対戦相手を分析するけれど、実際に戦ってみると、予想に反することがあれこれ出てくる。それを前半を使って消化しながら、ハーフタイムのロッカールームで話し合い、後半の戦いに生かす。そういう微調整が今大会の参加チームの中でトップクラスでできたからだろう。別な言い方をすれば、ハーフタイムの15分の間でも成長できるチーム。それが日本だった。

その現実に対応する力は、森保一監督のマネジメントと関係があるとも思っている。「俺の言うとおりに黙ってやればいい」という高圧的ではないよさというか。実際に現場で戦う選手の肌感覚とピッチの外で観察した監督の考えをハーフタイムですり合わせ、戦術的に整理する。そこがうまくやれていたからだろう。

サウジアラビアに70%以上、ボールを支配されたベスト16の戦いもそうだった。苦戦の一番の原因は午後3時キックオフの地獄のような直射日光と湿度の低さにあった。ピッチの脇に置いた測定器で湿度は「LOW」と出るだけで測定不能という状況。

それでも、ボールをサウジに握られながらピンチの場面はそれほどなかった。これも、選手が外(ベンチ)からの命令ではなく、ピッチの中で「今はこうしよう」とまとまれていたからだと思う。

森保監督(手前)はカタール戦でも選手に信を置き、後半での逆転を狙ってやるべきことの中身を整理して再チャレンジさせる道を選んだ=共同

森保監督(手前)はカタール戦でも選手に信を置き、後半での逆転を狙ってやるべきことの中身を整理して再チャレンジさせる道を選んだ=共同

選手の当事者感覚を大事に

外から「引いて守れ」とか「前からプレッシャーをかけろ」と怒鳴られて、「やらされるサッカー」になると「え、そんなことをするの?」と思って、どんどん心身両面できつくなる。そうではなくて、自分たちで「これがベターだ」と決めてやるから頑張れる。こういう選手の当事者感覚を森保監督は大事にしていた。

カタール戦にしても、0-2でリードされて折り返したら、普通の監督ならシステムを変えるか、選手を入れ替えるものだ。森保監督は選手に信を置き、本来の力を発揮すれば、十分にひっくり返せると踏んで、やるべきことの中身を整理して再チャレンジさせる道を選んだように思う。

後半の日本はくさびの縦パスを果敢に入れ、前線の選手も斜めに走ったり、守備ラインの裏に出たりするアクションがどんどん増えていった。それにつれてタッチのテンポもどんどん上がった。イラン戦でも見せた、日本の結束する力、融合する力、理解する力、規律の高さ。「こういうふうにやっていこう」と衆議一決したら、本当にそのとおりにやっていける。アジア、いや、世界と戦う上でも、これは日本の貴重な美質だろう。

4年に一度のアジアカップは他チームの進展を知る貴重な機会でもある。決勝で日本を下したカタールは素晴らしいチームだった。得点王になったアリ以外にもボランチのアッシム・オメル・マディボのような、フランス代表のエンゴロ・カンテをほうふつとさせるタレントがいた。

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