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重要裁判記録を多数廃棄 東京地裁、永久保存は11件

民事訴訟などの裁判記録のうち、東京地裁が史料価値があると判断して永久保存の対象としたのは、これまで11件にとどまっていることが13日、地裁への取材で分かった。すでに廃棄された重要裁判の記録も多く、専門家は「審査の仕組みを整備すべきだ」と訴えている。

最高裁の内部規定や通達によると、民事訴訟の判決文は国立公文書館に移管されて永久保存されるが、準備書面や尋問の速記録といった記録は一審の裁判所で確定から5年間保存された後に廃棄されることになっている。ただ「特別保存」と呼ばれる制度があり、「史料または参考資料となるべきもの」は保存期間を過ぎても保存が義務付けられている。

地裁によると、特別保存の対象となったのは横田基地騒音訴訟やオウム真理教の破産事件の記録などで、全て2012年以降に指定されていた。一方、憲法が定める生存権の解釈が争われた「朝日訴訟」や、法廷で傍聴人がメモを取る権利が認められるきっかけとなった「レペタ訴訟」などは記録が廃棄されていた。

保存期間の経過後も記録が廃棄されず、特別保存の対象にもなっていない裁判が約270件あることも判明。これには教科書検定の合憲性が争われた「家永教科書裁判」が含まれているという。地裁は「これまでの運用は適切ではなかった。規定や通達にのっとり、保存と廃棄を進める」としている。

公文書管理に詳しい青山学院大の塚原英治教授は「裁判所は重要な記録を残そうという意識が欠けている。最高裁は外部の識者を入れた委員会を設置し、特別保存を積極的に審査する仕組みをつくるべきだ」と話した。〔共同〕

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