自動ブレーキ搭載義務化、40カ国が合意 国連発表 - 日本経済新聞
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自動ブレーキ搭載義務化、40カ国が合意 国連発表

【ジュネーブ=細川倫太郎】国連欧州経済委員会(ECE)は12日、日本や欧州連合(EU)など40カ国・地域が衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の導入を義務づける規則の原案に合意したと発表した。乗用車や軽商用車に標準搭載を課し、2020年はじめにも適用を始める。自動運転車など次世代自動車の普及が見込まれるなか、交通事故の発生防止や被害軽減をめざす。

標準搭載を義務づけるのは「AEBS」と呼ばれる自動ブレーキ。走行中にカメラやレーダーで前方の車や障害物を分析し、危険と判断した場合は車両を止める機能が自動で作動する。さらに多くの国に参加を呼びかけ年内にも正式な規則を設ける。

ECEによると、AEBSを搭載すると低速走行時の衝突を38%減らし、EU内では年間1000人超の命を救うことができるという。搭載の義務づけが始まればEUでは年間1500万台以上、日本では同400万台以上の新車が対象になるとしている。

日本ではすでに7割以上の新車に自動ブレーキが搭載されるなど、研究開発が進んでいる。トヨタ自動車は上級ミニバンなどに夜間の歩行者に対応する自動ブレーキを標準搭載。SUBARU(スバル)も自動ブレーキなどを取り入れた安全運転支援システム「アイサイト」を採用している。政府は20年に新車で9割の搭載を目標に掲げる。

今回の規則制定をめぐってはECEの下部組織である「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」で議論し、日本とEUが主導してきた。背景には事故防止や被害軽減には、国際的なルール整備が急務との危機感がある。高齢ドライバーのペダルの踏み間違いによる事故などは深刻な社会問題になっている。次世代自動車の開発競争が激しくなるなか、安全性の確保を徹底するねらいもある。

今回の規則制定には日欧のほか韓国やロシアが参加する一方、米国や中国、インドは加わっていない。自動ブレーキの搭載が実際に義務づけられると、日欧などでは非搭載の車は販売できなくなる可能性がある。日欧などへの輸出を考え、規則の対象外の国々のメーカーも標準搭載に動くことも予想される。

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