2019年2月20日(水)

KDDI、スマホ入り口に総合金融サービス
カブコム出資を発表

ネット・IT
2019/2/13 6:17
保存
共有
印刷
その他

KDDIが総合金融グループの展開に本腰を入れ始めた。12日にインターネット証券大手、カブドットコム証券への出資を正式に発表。併せて傘下に銀行から決済、保険、資産運用まで束ねる包括的な金融持ち株会社の設立を発表した。スマートフォン(スマホ)を入り口に幅広い金融サービスをワンストップで受けられる時代をにらみ、収益源を多角化する。

カブコム株へTOB(株式公開買い付け)を実施、最大約914億円を出資する。出資比率は49%で1株当たりの買い付け価格は12日終値比6%高の559円。4月下旬から約30営業日の予定で実施する。現在の親会社、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は過半の保有を続け、TOB成立後にカブコムは上場廃止となる。

金融とテクノロジーの融合「フィンテック」であらゆるサービスの入り口として注目されるのがスマホだ。スマホを握る携帯大手が金融を手掛ければ顧客基盤を最大限活用することができる。

カブコムはネット証券5位で証券口座数は約110万。一方、KDDIの主力携帯電話サービス「au」は約4000万件の契約を持つ。金融分野で新たな需要を開拓し、通信契約で保有する顧客ビッグデータの金融分野への活用も図る。

KDDIは既に銀行や保険をグループ内に持ち、証券進出は最後のピースだった。全体像が定まり、司令塔役として傘下に金融ビジネス会社を束ねる持ち株会社「auフィナンシャルホールディングス」を設立する。

社名に「au」を冠しブランドを統一。カブコムは「auカブコム証券」に、ネット銀行「じぶん銀行」も「auじぶん銀行」に改称する。じぶん銀行への出資比率はKDDIが50%から約64%に高まり、MUFGが30%台に低下する。MUFGは通信だけでなく流通や交通など他分野に提携相手を広げる方針だ。

KDDIは消費者の「財布」にあたる金融サービスを押さえ、小売りや娯楽、教育まで幅広いサービス展開を視野に入れる。顧客の懐事情を把握できれば、膨大なデータを生かしライフステージに合わせたサービス提案も可能になる。

英会話の「イーオン」や子供向け就業体験施設「キッザニア」の運営会社も傘下に持つ。例えば子供の入学にあわせ保険と英会話を同時提案するサービスなどを想定している。

「通信と金融の融合」(高橋誠社長)は守りの側面もある。主力の通信は世界的に伸びが鈍化。日本でも携帯電話の契約数の伸び率が17年度に3.5%と6%近かった14~15年度から失速気味だ。今春には携帯最大手のNTTドコモが通信料の2~4割値下げに踏み切る。楽天も携帯事業に参入予定で環境は厳しさを増す。

とりわけKDDIの危機感は強い。格安スマホの台頭後、大手3社の中ではauブランドの苦戦が目立つ。契約者数は昨年12月末に前年同月比で1%減。傘下の格安スマホも含めた契約者数は伸びているが主力ブランドからの顧客流出が響く。シニアなど優良顧客が多いNTTドコモに比べユーザーの流動性が高いのが弱みだ。

16年度からの3カ年で通信以外の成長分野に5千億円を投資する方針を表明。イーオンのほか、「食べログ」を運営するカカクコムに793億円を出資。発表済みの案件は4200億円程度に上る。

保存
共有
印刷
その他
ソフトバンクの宮内社長は決算会見で大容量サービスに自信を見せた

携帯通信料下げ 笑うのは誰だ[有料会員限定]

2019/2/7 6:30

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報