非鉄大手4社が下方修正、19年3月期最終 市況悪化で
非鉄金属大手4社の2018年4~12月期連結決算が12日、出そろった。世界景気の先行き不透明感からニッケルなどの非鉄価格が想定よりも下落し、全社が19年3月期の最終損益見通しを下方修正した。通期予想の下方修正は4社とも今期2度目。収益が安定していた電子部品といった「非金属」部門も苦戦し、金属部門を補えない。
三菱マテリアルは12日、19年3月期の連結純利益が前期比71%減の100億円になりそうだと発表した。従来予想を150億円下回り、減益幅が拡大する。金属事業はインドネシアの製錬工場の改修工事に想定より時間がかかり、銅地金の出荷量が減少する。銅価格の下落を受けて想定価格を見直した結果、在庫評価損を計上する。
金属事業の低迷は他の3社にも共通する構図だ。さらに市況に左右されにくい非金属事業も苦戦が目立つ。スマートフォン(スマホ)の販売不振の影響は大きく、三井金属は基板向け部材、DOWAホールディングスは発光ダイオード(LED)が想定を下回る。
米中貿易摩擦など世界景気の先行き不安からニッケルや亜鉛などの価格は昨年末にかけて大きく下げた。年明けは回復基調にあるが、「来期以降の非鉄市況についてはまだ分からない」(住友金属鉱山)と慎重な声が多い。18年4~12月期の連結決算は住友鉱と三菱マの2社が増収減益、三井金とDOWAの2社が減収減益だった。