つみたてNISA、1年で100万口座 金融庁発表
金融庁は12日、積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の口座開設数が初めて100万口座を超えたと発表した。20代など若年層の新規開設が目立ち、2018年1月の制度開始から1年で個人投資家の裾野が広がりつつある。生命寿命が延びる人生100年時代を迎え、投資を通じた長期の資産づくりが課題になっている。
18年12月末時点の口座開設数は103万7169口座と9月末から18%増えた。つみたてNISAは18年1月から始まった制度で投資信託などに毎月投資すれば年40万円までの投資を上限に、そこから得られる配当や売却益が20年間非課税になる。
金融庁が主な金融機関8社を対象に聞き取りしたところ、非稼働の一般NISA口座から切り替えた個人投資家は全体の11%。大半はつみたてNISAの新規口座の開設で70%に達した。世代別に投資家をみると20~40代の現役世代で7割(18年9月末)を占めており、金融庁は「投資家の裾野を広げる効果が一定程度あった」とみる。
日本の家計金融資産は1800兆円に達し、うち半分は現預金が占めている。株式や投信の保有割合は19%にとどまり、米国(50%)や英国(42%)を大幅に下回るのが現状だ。金融庁は投資を通じた長期の資産づくりを後押しするため、親子でお金について学ぶイベントやSNSを通じたNISAの知名度向上に取り組む計画だ。