2019年6月20日(木)

東急やJR東日本など、観光列車でJR北海道を支援

2019/2/12 17:32
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JR北海道や東京急行電鉄JR東日本、JR貨物は12日、北海道での観光事業で連携すると発表した。東急とJR東日本は7月から順次、自社の観光列車を北海道で走らせる。経営不振で観光列車の新規投入が難しいJR北海道を支援する。3社による異例の支援の構図だが、東急とJR東にとっては北海道で観光ビジネスを広げるという思惑も見え隠れする。

東急の「ザ・ロイヤルエクスプレス」

JR東日本の「びゅうコースター風っこ」(同社提供)

「チャレンジもあるがトライしたい」(東急の高橋和夫社長)、「東北と北海道との観光をさらに広げたい」(JR東の深沢祐二社長)、「物流だけでなく観光面でも貢献したい」(JR貨物の真貝康一社長)――。

JR北を含む4社は東京都内で記者会見を開いて抱負を語った。自社の観光列車を他社へ貸し出すケースは珍しい。

東急が投入する観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」は2020年から札幌―道東間で走る。JR東は山形県などで走る観光列車「びゅうコースター風っこ」を7月から宗谷線に投入する。JR貨物は両社の観光列車を北海道まで回送させる役割を担う。

JR北はすでに観光列車を走らせているが、資金力に限りがあることから、潜在需要のある路線に観光列車を投入できていない。JR北にとって今回の両社の協力は助け舟になるが、東急やJR東には別の意図も垣間見える。

東急にとって北海道での事業の歴史は古い。昭和30年代から小売業やバス事業を始めたほか、ニセコではスキー場などを運営する。点在する観光地などを観光列車で「線」としてつなげられれば、収益を上げられる可能性は十分にある。

すでに東急は北海道の7空港のコンセッション(公共施設等運営権)に参画していることが表面化している。国は今年7月にも優先交渉権者を決める予定で、東急の陣営に決まれば、道内の空港を発着する旅行商品を作ることもできる。

一方、JR東は観光列車を走らせるなど事業面でJR北を手助けしていく。これがJR東と同根のJR北への経営支援になるとの思いが強い。

17年からは豪華寝台列車「トランスイート四季島」を都心から道内まで走らせている。今回も「風っこ」を投入することで、北海道を含む旅行商品を増やせる。

もっとも、JR東にはJR北への資金援助を期待する声が根強い。しかし、JR東は株主からの理解が得られないとしてこれを否定する。

同社は14年からJR北の会長と副社長にJR東の出身者を送ったほか、北海道新幹線の札幌延伸の時には次世代新幹線を投入する計画がある。速度アップした新幹線を走らせることにより、競合の航空機の乗客を取り込む。

JR北の島田修社長は「(観光列車の投入で)インバウンドを取り込んでいきたい」と強調した。現状では観光需要を十分に取り込めていないJR北だが、自然豊かな北海道での観光ビジネスは他の鉄道事業者が参入するなど、新たなフェーズに入ったといえそうだ。

(岩本圭剛)

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