韓国議長発言、反発広がる 政府・与党内 慰安婦問題で
従軍慰安婦問題を巡り韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が天皇陛下の謝罪を求めたことについて、安倍晋三首相は12日の衆院予算委員会で「本当に驚いた。はなはだしく不適切な内容を含む」と批判した。政府は8~12日の間に5回にわたり外交ルートを通じて韓国側に強く抗議し、謝罪と撤回を求めた。

河野太郎外相も「到底受け入れられない。極めて無礼な発言だ」と反発した。自民党の加藤勝信総務会長は12日の記者会見で「日本は憲法に天皇陛下の規定がある。憲法にのっとって対応するのは当然だ」と述べた。天皇の国政への関与を禁じた憲法に照らしても文氏の発言は不適切だとの認識を示した。公明党の山口那津男代表も「天皇陛下に謝罪を求めるのはいかがなものか。政治が責任感をもって取り組むことが重要ではないか」と批判した。
菅義偉官房長官は「韓国政府から『早期の日韓関係改善を願う文議長の思いが出たもの』との説明があったが発言は極めて不適切だ」と述べた。
文氏は2月上旬の米ブルームバーグ通信とのインタビューで「首相もしくは近く退位する天皇が(元慰安婦の)手を握り本当に申し訳なかったと言えば問題は解消される」と発言した。
韓国メディアによると、米国を訪問中の文氏は11日、記者団に「韓日のインターネット上で論争が起きているようだが望ましい現象ではない」と語った。
韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟を巡っても政府は12日、協議要請に早期に回答するよう韓国側に督促した。政府は1月9日、韓国の裁判所が新日鉄住金の資産差し押さえを認めたことを受け日韓請求権協定に基づく協議を要請。30日以内の回答を求めたが期限の2月8日までに回答はなかった。
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