物流スタートアップのオープンロジ(東京・豊島、伊藤秀嗣代表)は新興企業への経営支援を手がけるシニフィアン(東京・港)と資本業務提携した。元ミクシィ社長の朝倉祐介氏らシニフィアンが持つノウハウを活用。数年後の新規株式公開(IPO)を視野に入れた経営体制の強化や新規事業の創出に取り組む。
シニフィアンは2018年末にオープンロジ株式の一部を既存株主から譲り受けた。出資比率は非公表だが、数%程度とみられる。シニフィアンは年内に追加出資を予定しており、合計の出資額は数億円になる見込みだ。
オープンロジは13年の設立。提携する十数社の物流倉庫会社の空きスペースを活用し、入庫、保管、発送といった物流サービスを低価格で提供する。オンライン上で簡単に発注でき、見積もりなどの煩雑な手続きが不要なことから、中小のネット通販事業者を中心に5000社以上の小売事業者が導入しているという。
同社はこれまでにベンチャーキャピタル(VC)のスパイラル・ベンチャーズ、コロプラ元副社長の千葉功太郎氏などから総額10億円を調達してきた。今回の資本提携は新たな資金調達を伴うものではなく、シニフィアンの豊富な知見を取り込み、IPOも視野に中長期的な成長基盤を強化する狙いがある。
朝倉氏はミクシィ社長時代に同社の業績を回復させた実績を持ち、東証マザーズ上場の印刷・物流サービス会社ラクスルの社外取締役も務める。オープンロジとシニフィアンは昨年末からほぼ毎週、議論を重ねており、両社で組織・管理体制の強化、海外事業や新規事業の戦略策定、資本政策を進める。