2019年7月23日(火)

トルコ、ウイグル弾圧を非難 中国は反発

2019/2/12 14:54
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【イスタンブール=佐野彰洋、北京=永井央紀】中国新疆ウイグル自治区のウイグル族への抑圧問題を巡り、中国とトルコの関係が緊張している。トルコ外務省が自治区の収容所でウイグル族の詩人の男性が死亡したとして同化政策を非難する声明を出したのに対し、中国側はこの男性の生存を示す映像を公表して反論した。対立が長引けば2国間の経済関係に影響が及ぶ可能性もある。

15年7月、トルコ・イスタンブールで中国政府のウイグル族政策に抗議するウイグル族ら(AP=共同)

「人類の大きな恥だ」。9日、トルコ外務省報道官は声明で100万人以上のウイグル族が自治区の収容所などに恣意的に拘束され、拷問や洗脳の対象となっていることは「もはや秘密でない」と主張。収容所閉鎖を求めた。

一方、中国の国営メディアは11日までにトルコ側が死亡したとする男性の健在ぶりを示す映像を公開した。外務省の華春瑩副報道局長は11日の記者会見で、この映像に触れて「トルコの関係者は間違いを正すよう」要求した。

中国は新疆ウイグル自治区の独立阻止を譲歩できない「核心的利益」と位置づけ、独立派の動きを強く警戒している。多数のウイグル族市民が「再教育施設」などに拘束されているとされ、米国や国際人権団体などが批判している。ただ、中国がウイグル族への統制を緩める気配はない。

トルコは民族、言語面でウイグル族と近く、亡命者も受け入れている。2009年に同自治区での大規模暴動が弾圧された際には当時首相だったエルドアン大統領が「大量虐殺のようだ」と非難していた。ただ、その後は中国との貿易・投資関係を深めたことで、ウイグル問題への批判は控えていた。

トルコでは19年3月末に統一地方選が迫る。18年夏の通貨急落で景気が悪化し、国民の不満が蓄積するなかでウイグル問題で沈黙は貫けないと判断したもようだ。ただ、現時点では外相や大統領レベルでの非難には踏み込んでいない。

欧州と中東をつなぐ位置にあるトルコは中国が主導する経済圏構想「一帯一路」の沿線国だ。対立の長期化でインフラ整備や官民の債務の借り換えに必要な中国からの投資が途絶えることも懸念しているとみられる。

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