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高野連だけではない スポーツ界の理不尽な体質

編集委員 北川和徳

甲子園大会に出場した野球部員が応援してくれた同じ高校のダンス同好会の有料発表会にユニホーム姿で出演したことが問題になった。日本高野連が「高校野球の商業的利用にあたる」として処分を一時、検討したためで、その硬直した姿勢に批判が集中した。

なぜ高野連はいつも上から目線で旧態依然としたルールを振りかざすのだろう。こう考える人は私のほかにも多いと思う。本来、高校野球の主役は各校野球部と選手たち、そして各学校のはずだ。現場の意思に寄り添わない組織が、なぜか権威となって君臨している印象を受ける。

日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏は東京都内での講演後、「(日本)高野連は旧態依然たる体質を変えないと」と批判した(1月26日)=共同

だが、日本のスポーツ界ではこうした関係性は高校野球に限らず珍しくない。スポーツ庁の主導で間もなく発足する大学スポーツ協会(UNIVAS)も、当事者である学生を抱える大学と既得権を持つ学生競技連盟(学連)の権利の調整が難題となりそうだ。

前回で取り上げた筑波大学は、UNIVASに当面は不参加とする方針を固めた。その最大の理由は、UNIVASに学連もメンバーとして加わり、その権利を侵害しない方針で運営される見通しだからという。

UNIVASは運動部を大学が運営に責任を持つ正規の活動にすることを目指している。当然、大学側の負担は増える。その財源となるのは運動部の試合などから得られる収入。だが、その権利は通常、学連が持っている。大学が本気で運動部を正規の活動にするのなら、学連の既得権と衝突するのは必至だ。

現状では学連の協力なしでUNIVASの事業展開は難しい。スポーツ庁としては、学連の協力を得やすいマイナー競技のネット中継や学生アスリートのデータを使ったビジネスなどで収益を上げ、それを活動資金や各大学への分配金とする狙いがあるのだろう。

日本のスポーツ界はさまざまな場面で理不尽な支配の関係がまかり通っている。円滑な大会運営のためにできた組織がいつしか権威となり、時には現場の意思を無視して、チームや選手の命運を左右する権限を持つ。昨今、問題のパワハラ体質とも無縁ではない。そろそろ新しいステージに進んでもいいころだ。

(2020年東京五輪まであと527日)

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