2019年8月22日(木)

小中学生がハマった「仮想のまち」(平成のアルバム)
ぱどタウン

2019/2/16 6:30
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ぱどタウンの初期設定のユーザーの部屋。レベルが上がるとキャラクターを変更できた

ぱどタウンの初期設定のユーザーの部屋。レベルが上がるとキャラクターを変更できた

スマートフォン(スマホ)もSNS(交流サイト)もない2000年代初めに登場し、小中学生をパソコンの前にくぎ付けにしたのがバーチャルタウン「ぱどタウン」。地域密着型の情報誌「ぱど」を発行する、ぱど(東京・千代田)が運営するインターネット上の仮想都市だ。

ネット上で無料登録し、実在する地名をもじった「東京あおぞらタウン」「和歌山わくわくタウン」などの中から住人となるタウンを選ぶと、自分の部屋を作ったり、掲示板で他の住人と交流したりできた。

掲示板への書き込み回数やログイン回数に応じて「レベル」が上昇。初期設定のキャラクターはウサギだが、レベルが上がると、カエルやお姫様、宇宙人などキャラクターの選択肢が広がり、最終的には80種類以上の中から選べた。

ネット上で友人と会話すること自体が当時の子供たちにとっては新鮮な体験。小学6年生のころ、ぱどタウンにはまった静岡県在住の男性会社員(24)は「部屋を自由にカスタマイズできるのが楽しくて、夢中になって遊んだ」。自宅にパソコンがない子供が図書館のパソコンを利用して掲示板で友人と会話を楽しむ姿もみられた。

手軽さの半面、掲示板に他人の悪口を書き込んだり、誹謗(ひぼう)中傷したりする行為も目立ち、利用を禁止する学校も現れた。当時、ぱどタウンのプロジェクトメンバーだった湯地弘幸さん(51)は「バーチャル空間でのいじめの先駆けかもしれない」と振り返る。

携帯電話の利用者が急増する中で、利用者は減少。湯地さんは「パソコン向けに作られた画面を携帯向けに変換できなかった」と敗因を語る。

2017年7月初旬、利用者にサービス終了に伴うお知らせメールが届くと、SNSでは「なつかしい」「まだあったのか」と驚きの声が上がった。

「はまりすぎて通信料8万円請求来て親に初めて土下座した」「人から丸見えなのも気にせずメール感覚で友達とやりとりしていた」。閉鎖前に、湯地さんらがツイッターに立ち上げた「#ぱどタウン黒歴史」には、大人になった利用者からは、掲示板に残されていた恥ずかしい書き込みを懐かしむツイートが相次いだ。

ぱどタウン 2001年に立ち上がったコミュニティーサイト。地域情報誌「ぱど」のインターネット版として生まれた。掲示板に書き込む機能のほか、ホームページなどを作るプログラミング言語「HTML」「JavaScript」を使って部屋をアレンジできた。ピーク時には約49万人の登録者がいた。

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