2019年2月21日(木)

米政府のAI投資拡充、トランプ氏が大統領令

トランプ政権
経済
北米
2019/2/12 7:08
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【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は11日、連邦政府で人工知能(AI)分野の投資を拡充する大統領令を発令した。米行政管理予算局(OMB)には2020年会計年度(19年10月~20年9月)の予算策定で、AI分野に研究開発費を重点配分するよう指示した。官民のデータ共有なども進め、ハイテク分野での中国の急激な追い上げをかわすねらいだ。

トランプ米大統領=AP

トランプ氏は「AI分野の米国の主導権維持」と題した大統領令に署名した。具体的には連邦政府内の研究機関に対し、AIの関連技術に研究開発投資を集中するよう求める。OMBにも20会計年度の予算策定でAIへの重点投資を要求したほか、19年度中の予算配分も見直すよう指示した。

トランプ政権がAI分野への投資拡充を打ち出したのは、ハイテク分野で覇権争いを繰り広げる中国への対抗心がある。中国は産業育成策「中国製造2025」でAIを重点分野と位置づけ、ネット検索大手の百度(バイドゥ)などと組んで自動運転などの実用化を急いでいる。米国はグーグルやアマゾン・ドット・コムなどがAI分野で世界的に先行するが、官民連携には課題がある。

そのため、トランプ氏は大統領令で「連邦政府が持つデータを、民間企業や学界などが幅広く収集できるよう点検する」ことも求めた。AIの技術進歩には巨大なデータの活用が欠かせない。連邦政府が抱えるデータを民間が活用できるようにして、AI技術の一段の底上げをねらう。

ただ、政府予算を実際に策定するのは連邦議会だ。下院で多数派となった野党・民主党はトランプ政権と対立しており、AI分野の予算拡充に協力するか不透明だ。国家主導で重点投資する中国に比べてトランプ氏の大統領令の効力には限界があり、中国の追い上げを受ける米国の危機感は拭えそうにない。

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