2019年2月23日(土)

石牟礼文学 深さ改めて、福岡と水俣で集い

九州・沖縄
社会
2019/2/10 18:53
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四大公害病の一つ、水俣病患者らの思いをすくい取った「苦海浄土」で知られる作家、石牟礼道子さんが90歳で亡くなって1年を迎えた10日、福岡市と熊本県水俣市で集いが開かれた。交流のあった作家らが現代文明に警鐘を鳴らした「石牟礼文学」の深さを語り、作品を紹介した。

福岡市の会場に飾られた作家、石牟礼道子さんの写真(10日午後)=共同

福岡市の会場では、芥川賞作家で長年友人として付き合いのあった池沢夏樹さん(73)が約50人を前に「魂が動くという意味で『されく』という言葉を作品でよく使っていた。魂で患者さんに共感していたから、深い作品ができたのだろう」と静かに語った。

熊本県八代市在住で、石牟礼さんと文学雑誌を作っていた作家、前山光則さん(71)は苦海浄土が生まれた背景として「自然との共生がガラガラと崩れた時代」があったと指摘。亡くなる直前まで「まだ書きたいことがたくさんある」と創作意欲を見せていたエピソードを披露した。

水俣市では「水俣病を語り継ぐ会」が朗読発表会を開き約70人が参加。胎児性患者の加賀田清子さん(63)が、石牟礼さんのエッセー集「花の億土へ」に書かれている自身の言葉を読み上げた。吉永理巳子代表(67)は「亡くなってから水俣を見に訪れる人が多いと思う。改めて偉大さを感じる」と話した。〔共同〕

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