2019年4月23日(火)

ワクチン接種「最終手段」 輸出入の影響懸念、農水省

2019/2/9 23:29
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昨年9月、国内で26年ぶりに岐阜市で始まり、愛知県から5府県に広がった豚コレラ。感染拡大を食い止めるためにワクチン接種が有効だが、豚肉の輸出入などへの影響を懸念する農林水産省は「最終手段」として消極的だ。有識者は「接種すれば養豚業界全体の首を絞めかねず、難しい判断だ」と解説する。

豚コレラ感染が確認された大阪府東大阪市の農場に向かう作業員ら(8日午後)=共同

豚コレラは1992年まで国内で確認されており、ワクチンは広く使われていたが、その後使用を中止。2007年にはウイルスを完全に封じ込め、15年に国際機関に「清浄国」と認められた。

清浄国は欧米を中心とした同じ清浄国へ豚肉を輸出できるほか、非清浄国からの輸入を拒むことができる。しかし昨年9月の豚コレラの発生で、清浄国の認定が一時停止に。香港やシンガポールなど5つの国や地域は5府県か日本で生産された豚肉の輸入を止めた。

最後の発生から3カ月間発生しなければ清浄国に復帰できるが、ワクチンを接種した場合は1年以上かかってしまう。ワクチンを使い清浄化が遠のくデメリットについて、宮崎大の末吉益雄教授(産業動物衛生学)は「非清浄国からの安い豚肉の輸入を受け入れることにつながる可能性もあり、市場価格の下落や新たなウイルスの上陸のリスクが高まる。日本の養豚産業が壊滅する恐れもある」と指摘する。

農水省はワクチンを使用するより農家の防疫体制の強化を念頭に置く。中国ではワクチンが開発されていないアフリカ豚コレラが流行しており、同省担当者は「日本でのまん延は高い防疫によってしか防げない」と強調している。

〔共同〕

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