2019年5月20日(月)

家計の「黒字率」30%超え 18年家計調査

2019/2/8 14:40
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家計で必要な消費や経費を差し引いた後に残るお金の比率を示す「黒字率」が上昇している。総務省が8日発表した家計調査によると、2018年の家計黒字率(2人以上の勤労者世帯)は00年以降で初めて30%を超えた。働く女性が増えて家計収入を押し上げている一方、不要不急の消費を控えてお金をためている家計の動きを示す。

家計の黒字は、家計で自由に使えるお金を意味する可処分所得から消費支出を引いて算出する。この黒字額を可処分所得で割ったのが黒字率で、家計に残ったお金の比率を示す指標だ。収入が大きく増える一方、消費の伸びが鈍ければ黒字率は上がる。

18年をみると、2人以上の勤労者世帯の黒字率は30.7%と前年の27.9%を大きく上回った。18年1月に調査票を改定した影響で黒字率は高めに出る傾向があるが、それでも「黒字率は上昇傾向」(総務省)という。

黒字率を上げている要因の一つは収入の伸びだ。2人以上の勤労者世帯をみると、18年の月平均収入は1世帯当たり55万8718円だった。物価の影響を除いた実質値でみると前年比で3.5%増。調査票改定の影響を加味すると実質0.6%減だが、名目の収入額は18年ぶりの高い水準だ。押し上げたのは配偶者の収入増。18年は7万2948円と、00年以降で初めて7万円を超えた。

一方、消費は伸びが鈍い。2人以上の勤労者世帯の消費支出は18年の月平均が31万5314円と前年からほぼ横ばいだった。旅行費を含む教養娯楽サービスや被服・履物の支出が減り、必需品以外の消費を抑えている実態が浮かぶ。

家計は消費を控え、貯蓄を増やしている。黒字率に含まれる指標のうち平均貯蓄率は26.6%と00年以降で最高になった。10年前に比べると8ポイント以上も伸びた。

ニッセイ基礎研究所の久我尚子主任研究員は「家計は収入が増えた分を教育費など優先順位の高いものに充て、残りは貯蓄する傾向がある」と指摘する。社会保障制度の持続性など将来不安が強いなかで「将来も収入が増え続ける見通しがなければ、消費は増えづらい」と分析している。

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