2019年9月17日(火)

「すぐ引っ越しできない」 レオパレス要請に住民困惑

2019/2/8 11:01
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新たに1324棟のアパートで施工不良が見つかったレオパレス21。耐火基準を満たさない物件の入居者7782人に、8日から異例の転居要請を始めた。「すぐ引っ越しなんてできない」「うちは大丈夫なのか」。入居者から不安の声が相次ぎ、物件オーナーに怒りが広がった。

出社し清掃などするレオパレス21の社員ら(8日午前、東京都中野区)

■不安募る入居者

「上の階や隣の部屋の音がうるさいと感じていたが、建築基準法違反の可能性があるとは……」。2018年春、就職とともに東京・杉並の3階建て物件に入居した男性会社員(23)は昨夜のニュースで施工不良を知り、言葉を失った。「耐火性が低くて、もし火事が起きたらと考えると夜も眠れなかった」

天井の耐火性能が建築基準法を満たさないとして、レオパレス21が転居を呼びかけているのは、1996~2001年に着工した32都府県の「ゴールドレジデンス」641棟。具体名は公表しておらず、この男性が住む99年建築の物件が該当するかはわからない。男性は「引っ越し費用をもらったところで簡単に良い物件が見つかるとも思えず、今後の生活が不安だ」とうつむく。

同じ物件に住む女性会社員(28)は早くも他社物件への引っ越しを検討し始めた。「今回の発覚は氷山の一角ではないか。もはや会社を信じられない」と突き放す。

同様に該当する可能性がある川崎市の物件を社宅として利用する男性会社員(35)は、18年5月に「界壁」未設置の問題が発覚した後、「危険だ」と会社から転居を勧められたが、転居先はまだ決まっていない。「しばらくはここに住むしかない。うちの物件に不備があるのか早く教えてほしい」

レオパレスは今後、遮音性が基準に達しない恐れがある物件の入居者などにも転居を求めていく方針で、対象者は最終的に約1万4000人に上るとしている。

■いらだつオーナー

「事前の説明は一切なかった。あまりにも誠意のない対応だ」。アパートのオーナーたちが18年6月に結成したレオパレス違法建築被害者の会(名古屋市)の会長、前田和彦さんはいら立ちを隠さない。

会は同年5月の問題発覚以降、レオパレス側と調査や修繕について7回にわたる話し合いを重ねてきた。ところが入居者に転居要請を始めることについて、同社からは連絡も相談もなかった。

同会の参加者は全国で約170人。銀行からの多額の融資で複数のアパートを建てたオーナーも少なくなく、不安が広がっているという。

■社員は言葉少な

8日朝、東京・中野の同社本社ビル。社員用の通用口に向かうコート姿の同社社員は一様に無言だった。「お客様に真摯に対応するだけですので……」。ある男性社員が言葉少なにつぶやいた。

石井啓一国土交通相は8日の閣議後の記者会見で「極めて遺憾。特定行政庁に建築基準法違反の事実確認と是正後の確認を依頼したところであり、引き続き連携して必要な安全性の確保に向け対応していく」と述べた。

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