2019年2月21日(木)

「作業効率上げるため」レオパレス社長 品質への意識欠如

住建・不動産
2019/2/7 23:01
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レオパレス21の深山英世社長は7日、都内で記者会見し、アパート建設で施工不良が相次いだ原因について「作業効率を上げるのが一番の狙いだった。コスト削減が目的ではない」と述べた。同業他社との受注競争を勝ち抜くため、工事現場の作業負担を軽減して工期を短縮できるよう、法令で定められた仕様と異なる部材を使っていた。業績拡大を優先するあまり、品質に対する意識が欠如していた。

建築基準法違反に該当する恐れがある物件数は1324棟に達する。設計図では「グラスウール」という断熱材を使うとしていたが、実際には「発泡ウレタン」を充填したパネルを使っていた。共同住宅の界壁に求められる遮音性を満たさない可能性がある。

これとは別に、防火性を満たさない物件も確認された。共同住宅の外壁には建築基準法で、準耐火構造か防火構造の仕様が求められているが、別の部材を使用したり、構造上の基準を満たしていなかったりした。

問題のある物件は33都府県と広範囲に立地する。物件数が最も多いのは千葉県(214)で、埼玉県(206)、茨城県(157)と関東圏に集中。関西圏では兵庫県(60)などが目立つ。

施工不良の物件を手がけた1996~2001年は、バブル経済が崩壊する中で限られた富裕層からの受注を奪い合う現象が目立ったという。受注物件を年度末までに完成させようと、担当者が仕様と異なる手順で工事を急いだ。完成後の物件が法令に適合しているかを確認する体制も不十分だった。

深山社長は自身の進退について「入居者に早く安心してほしい。徹底して調査ペースを上げていくのが最大の使命」と述べ、早期辞任の可能性を否定した。役員の処分として社長らの月額報酬の一部を返上する。

国土交通省は7日、レオパレス21に対し、改修の具体的な方針などについて所有者に丁寧に説明することや、原因究明と再発防止策について国交省に報告するよう指示する文書を出した。

新たな問題の発覚を受け、レオパレス21は19年3月期の連結最終損益が380億~400億円の赤字になりそうだと発表した。50億~70億円の赤字を見込んでいた従来予想から赤字幅が拡大する。補修工事などの損失引当金を積み増す。

通期業績予想の下方修正は今期に入って3回目となる。業績悪化を受け、未定としていた年間配当は無配とした。

18年10~12月期に損失引当金として特別損失を360億円計上する。アパートの不備にかかる特別損失は累計で430億円まで拡大した。追加損失の可能性も否定しなかった。

18年12月末時点での現預金は892億円、自己資本は1069億円で、自己資本比率は35%。会社側は「資金は十分な水準にある」としている。

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