2019年4月24日(水)

英中銀、19~20年の成長率予測下げ EU離脱不透明で

英EU離脱
ヨーロッパ
2019/2/7 21:20
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【ロンドン=篠崎健太】英イングランド銀行(中央銀行)は7日発表した四半期のインフレ報告で、2019年の英実質国内総生産(GDP)成長率の予測を1.2%と、前回より0.5ポイント引き下げた。20年も0.2ポイント下げ1.5%とした。欧州連合(EU)離脱に伴う企業投資の萎縮や、世界経済の減速傾向を反映した。EU離脱をめぐり「不透明感は高まった」と強い懸念を示した。

英国のEU離脱問題に世界の市場関係者も注目している(16日、フランクフルト)=AP

英国のEU離脱問題に世界の市場関係者も注目している(16日、フランクフルト)=AP

金融政策については、政策金利を年0.75%で据え置くことを決めた。前日まで開いた金融政策委員会で、委員9人の全員一致で決めた。

19年の成長率が1.2%に減速すれば、米金融危機後の09年以来の低い伸びとなる。

下方修正は、EU離脱を背景に企業投資の見通しを弱く見直した影響が大きい。前回の18年11月時点では、19年の企業投資を2%増としていたが、今回は2.75%減と一転マイナスに見直した。20年についても5%増から2.75%増に後退させた。

英政府とEUがまとめた離脱案は1月半ばに英議会下院で否決された。離脱日の3月末が迫るなか、EUとの貿易に通関や関税が生じて経済活動が乱れる「合意なき離脱」の懸念が増している。英中銀の予測は引き続き移行期間が設けられる穏健離脱を前提にしているが、最悪シナリオに備える企業の心理悪化が無視できなくなってきた。

カーニー総裁は同日の記者会見で、合意のない離脱の可能性が「高まっている」と発言。「英経済は準備ができていない」と述べ、無秩序な離脱を避ける必要があると強調した。

金融政策委員会の議事要旨によると、委員はEU離脱についての討議で「(18年12月の)前回の委員会から主要なプロセスが未解決なままで、不透明感が増している」との認識を共有した。先行き不透明感が企業だけでなく「家計にも影響を及ぼしているいくつかの兆しがある」とも指摘し、経済情勢を慎重に見極める方針を示した。

物価動向については、消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率が21年にかけて2%程度で推移するとの予測をほぼ維持した。目標の2%に抑えるため、金融政策は21年までの見通し期間について「緩やかかつ限定的な引き締めを続けることが適当」とする、これまでの認識を維持した。

英国では賃金上昇が足元で勢いづいている。18年11月の賞与を含む賃金上昇率(3カ月移動平均)は前年同月より3.4%上昇し、08年7月以来約10年ぶりの高い伸びになった。潜在的なインフレ圧力は高まっているが、英中銀はEU離脱の不透明感が晴れるまで利上げに動けない状況に置かれている。

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