2019年2月17日(日)

ユーロ圏景気減速強まる
19年1.3%成長に大幅下方修正、欧州委

ヨーロッパ
2019/2/7 19:18
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【ブリュッセル=森本学】ユーロ圏の景気減速が鮮明になってきた。欧州連合(EU)の欧州委員会は7日、2019年の実質経済成長率の見通しを前回(18年11月)から0.6ポイント低い1.3%へ大幅に下方修正した。けん引役のドイツの伸び悩みに加え、財政リスクがくすぶるイタリアの景気後退入りがユーロ圏全体の成長を押し下げている。依然として不透明な英国のEU離脱の行方も先行きに暗い影を落としている。

けん引役の独景気の減速が目立っている(ダイムラーの自動車工場)=ロイター

「保護主義的な通商政策が消費や投資に影を落とす」。自動車部品で世界最大手の独ボッシュのアーセンケルシュバウマー最高財務責任者(CFO)は19年は厳しい年になると見通す。同社は1月末、19年12月期が減益になる可能性があると発表した。

ドイツ経済は主要輸出先である中国経済の減速などを背景に、18年7~9月期にマイナス成長に落ち込んだ。独Ifo経済研究所が集計した1月の独企業景況感指数は約3年ぶりの低水準まで落ち込み、19年に入って以降も景気減速が続いているもようだ。欧州委は19年の独成長率見通しを従来の1.8%から1.1%へ大幅に下方修正した。けん引役のドイツの低迷がユーロ圏全体の成長を押し下げている。

英国のEU離脱も消費・投資心理に冷水を浴びせている。ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長は6日、「『合意なき離脱』になれば英国だけでなく、欧州市場にも影響が伝わるだろう」と警戒感を示した。

欧州委の経済見通しは19年3月の英離脱の影響は加味せず、英国との貿易関係などは現状維持を想定して算出した。欧州委のドムブロフスキス副委員長(ユーロ問題担当)は「無秩序な離脱の可能性がユーロ圏経済にさらなる不確実さを与えている」と懸念を示す。

19年のユーロ圏経済のリスク要因が18年後半以降、景気後退局面に入ったイタリアだ。欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のイタリアでの新車販売台数は1月、前年同月比約2割減と大きく落ち込んだ。

欧州委はイタリアの19年の成長見通しを従来の1.2%から0.2%へ引き下げた。イタリア銀行(中央銀行)よりも厳しい見通し。ただ同国の主要経済団体である伊産業総連盟も19年の成長率は「ゼロをわずかに上回る水準」と悲観的だ。

反政権運動「黄色いベスト」が観光に打撃を与えたフランスも減速基調だ。景況感を示す1月の購買担当者景気指数(PMI)の総合指数は2カ月連続で、経済が拡大しているかの「目安」となる50を下回った。マクロン大統領は法人減税などに加え、最低賃金上げなど生活支援策も打ち出すが、景気底上げには力不足との見方もくすぶる。

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