2019年5月21日(火)

インド中銀、1年半ぶり利下げ 政策姿勢も「中立」に

2019/2/7 19:10
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【ムンバイ=早川麗】インド準備銀行(中央銀行)は7日、政策金利を年6.25%へ0.25%引き下げると決定し、即日実施した。利下げは1年半ぶり。当面の金融政策姿勢も「引き締め」から「中立」に変更し、将来の利下げにも含みを残した。物価上昇率が2%台に落ち着くなどインフレ懸念が後退。景気停滞観測が強まるなか、成長のけん引役である個人消費を刺激する狙いがある。

就任後、初の金融政策委員会を開いたインド準備銀行のダス総裁(ムンバイ)=ロイター

就任後、初の金融政策委員会を開いたインド準備銀行のダス総裁(ムンバイ)=ロイター

中銀のダス総裁は同日の記者会見で「インフレ率は目標である4%前後を今後も下回るとみられ、金融政策の自由度が高まった」と強調した。

4~5月に総選挙を控えるモディ政権は景気を刺激するため、中銀に金融緩和を求めてきた。ダス総裁はモディ首相に近いとされ、パテル前総裁の突然の辞任を受けて2018年12月に就任した。

今回は新総裁の下で開く初めての金融政策委員会で、メンバー6人のうち、ダス総裁を含む4人が利下げを、残る2人が据え置きを求めた。政策姿勢の変更は全会一致だった。

市場関係者の9割は政策金利の据え置きを予想していたため、利下げ決定に驚きが広がったが、為替や株式相場への影響は限定的だった。

中銀はインフレ目標を「4%前後」と設定し、物価上昇率が2~6%と目標から2%の範囲に収まるよう注視している。18年の消費者物価指数(CPI)上昇率をみると2~7月は4%台だったが、8月に3%台に下落。さらに11~12月は2%台に下がり、インフレ懸念が後退していた。

米金融政策の変更が影響したとの見方もある。原油輸入国であるインドは通貨安がインフレにつながる懸念があり、中銀は18年夏に通貨防衛のため2回にわたって利上げを迫られた。だが米連邦準備理事会(FRB)が1月末に利上げ路線の見直しを表明したことで、インドも利下げに動きやすくなった。

インド経済には停滞懸念が強まっている。インド統計局は1月、18年度(18年4月~19年3月)の実質経済成長率が7.2%と17年度とほぼ横ばいにとどまるとの予想を発表した。中銀は乗用車販売の減少などを例に挙げて、個人消費は17年度より減速していると指摘。ダス総裁は「民間投資や消費の拡大が必要だ」と述べた。

市場関係者の間では中銀が政策姿勢を「引き締め」から「中立」に変更し、4月以降の政策決定会合で利下げに動くとの見方が多かった。

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