2019年2月18日(月)

デサント、伊藤忠TOBに反対「全く合理的でない」

サービス・食品
2019/2/7 15:58
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スポーツ用品大手のデサントは7日、同社に対して筆頭株主の伊藤忠商事が実施しているTOB(株式公開買い付け)への反対意見を表明した。資本の論理による圧力で経営陣の刷新などを求める伊藤忠に反発した形で、日本では異例の大企業同士による敵対的TOBに発展する。

デサントは伊藤忠商事が実施しているTOBへ反対意見を表明した経緯について、説明会を開催した(大阪市天王寺区)

デサントは伊藤忠商事が実施しているTOBへ反対意見を表明した経緯について、説明会を開催した(大阪市天王寺区)

■「事実と異なる」

デサントの辻本謙一取締役常務執行役員は7日、大阪市内で報道陣の取材に応じた。伊藤忠が実施しているTOB(株式公開買い付け)への反対を表明したことに「事実と異なる点が多々ある。まったく合理的なものではない。ただ、建設的な話し合いを強く望む」と述べた。

伊藤忠がデサントの事業基盤について、韓国事業に過度に依存していると指摘している点は「過去からグローバル化を進めている。韓国が最大の成長ドライバーであることは事実だが、具体的には日本の収益力改善、中国事業拡大で3本の柱戦略を進めている。韓国一本足は不適切な表現」と反論した。

伊藤忠との関係は「大株主でありビジネスパートナーで、長い歴史で密接な関係を築いてきた。一方で取引先を伊藤忠経由に変更するよう強いられる要請もあった」と説明した。

■社外取締役「過半数に」

伊藤忠が情報漏洩などコーポレートガバナンスを問題視していることについては「漏洩はコーポレートガバナンスと関係なく、臆測だ。コーポレート体制は社外を過半数とするガバナンスを提案する予定だ。独立した社外を4人、執行取締役は1人提案する」と述べた。

また、取締役の構成については「我々は以前から数を引き下げたいとの提案は以前からしていたものの、伊藤忠からの合意は得られなかった。社外を過半数にするということも以前から考えていた」と述べた。

伊藤忠の買い付け価格は2800円と直前の水準より5割と、高いプレミアムを乗せた。「非常に高いプレミアムだが、(抽選になるため)売られる方は一部になるだろう。ただ我々としては自由なパートナー探しができなくなる可能性がある。そのリスクを(株主の)皆さんがかぶることになることを危惧している」と語った。

■伊藤忠「粛々と進める」

デサントは7日の臨時取締役会で対応を決めた。10人いる取締役のうち伊藤忠出身は2人で、1人は欠席、1人は意見を留保した。伊藤忠は同日、デサントの表明に対し「TOBを粛々と進めていく」とコメントした。

伊藤忠はTOBで最大約200億円を投じて、デサント株の保有比率を3割から総会で重要事項への拒否権がある4割に引き上げる計画だ。買い付け期間は3月14日まで。TOBが成立した場合、両社の協議の行方が焦点となる。伊藤忠は協議が不調に終われば、デサントの株主総会で株主提案を出す意向も示しており、委任状争奪戦まで発展する可能性もある。

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