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6日の参院予算委の主なやりとり

6日の参院予算委員会の主なやりとりは次の通り。

■足立信也氏(国民民主・新緑風会、大分)

【統計問題】

足立氏 昨年12月の統計不正発覚後、監察チームの調査に外部有識者を呼ばなかったのはなぜか。

根本匠厚生労働相 年末年始に迅速に対応するため、厚労省職員で対応した。

足立氏 有識者を呼ばないと決めたのは誰か。

厚労相 チームの主査だった定塚由美子官房長だ。職員がヒアリングして事案を整理し、1月10日に有識者に集まってもらった。

足立氏 特別監察委員会の調査報告書は読んだか。

安倍晋三首相 概要について秘書官から報告を受けた。そのものは読んでいない。

足立氏 これだけ大事な問題なのに読んでいないのか。

首相 首相は森羅万象全て担当する。さまざまな報告書を全て精読する時間はない。

足立氏 雇用保険などの追加支給に必要な事務費を労使が負担するのはおかしい。

首相 必要な事務費は被保険者の保険料の上昇につながらないよう財源を複数年度かけ、確保する。

足立氏 労使負担を変更する考えは。

厚労相 労使の理解が得られるように丁寧に説明していく。

足立氏 なぜ労使が負担するのか。

麻生太郎副総理・財務相 財源を税にすると、関係のない専業主婦らに負担を求めることになり、理解が得られるか。

【小4女児死亡】

足立氏 千葉県野田市立小4年の女児が死亡し、両親が傷害容疑で逮捕された。

首相 誠に痛ましく、あってはならない。虐待の根絶に総力を挙げる。関係省庁、地方自治体との連携に重点を置く。

足立氏 野田市教育委員会が、父親からの暴力を訴える学校アンケートのコピーを父親に渡した。

厚労相 リスクが高いことを踏まえた対応が取られていなかった。

■大塚耕平氏(国民民主・新緑風会、愛知)

【北方領土】

大塚氏 北方領土は日本固有の領土だとの認識に変わりはないか。

首相 わが国が主権を有する島々だとの立場に変わりはない。

大塚氏 「固有の領土」という言葉は使えなくなったのか。ロシアとの交渉姿勢が後退しているのではないか。

首相 主権を有する島々だ。ロシアとの交渉姿勢は全く後退していない。

大塚氏 4島の帰属問題が解決されない限り平和条約は締結しないか。

首相 4島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する立場に変わりはない。

【日米地位協定】

大塚氏 外務省のホームページにある日米地位協定の説明が変更された。どう変わったのか。

河野太郎外相 国際法上、駐留外国軍には接受国の法令が適用されないと記載してきたが、受け入れ国の法令の執行や裁判権などから免除されると、分かりやすくした。

【統計問題】

大塚氏 毎月勤労統計で算出する実質賃金は、他の統計のバロメーターに使われているか。

厚労相 国内総生産(GDP)への影響がないことは確認している。それ以外の経済指標などへの影響は、関係省庁の協力を得て把握を進めている。まとまり次第公表する。

■石橋通宏氏(立憲民主・民友会・希望の会、比例)

【統計問題】

石橋氏 統計法違反で職員を告発するか。

厚労相 特別監察委員会が改めてヒアリングしている。予断をもって述べることは差し控えたい。

石橋氏 再発防止のために出した指示は。

首相 特別監察委に独立性を強めた形で検証作業を進めてもらう。賃金構造調査は行政のやり方に大きな問題があった。不適切な取り扱いが行われてきた経緯や原因をよく調べさせる。

石橋氏 特別監察委の報告書を撤回し、白紙に戻さなければ国民の信頼は得られない。

厚労相 当時の担当者からヒアリングし、事実と思われる証言を客観的に書いた。

石橋氏 昨年12月の監察チームの調査に外部有識者を呼ばなかった理由は。

藤沢勝博厚労省政策統括官 当時はよく分からなかったので、監察チームの事務メンバーで調査を開始した。

【アベノミクス】

石橋氏 実質賃金が下降の一途をたどっている。

首相 総雇用者所得は名目でも実質でも増加が続いている。

■野田国義氏(立憲民主・民友会・希望の会、福岡)

【統計問題】

野田氏 雇用保険など不足分の追加支給はいつまでに済ませるか。

厚労相 多くの方々の住所を特定できるよう最大限努力する。支払いが完了する時期のめどを示すことは困難だ。できる限り速やかに、簡便な手続きで支払えるようにしたい。

【憲法改正】

野田氏 安倍晋三首相が「どういう国にしたいか」を語らなければ憲法改正は達成できない。

首相 衆参両院に憲法審査会がある。議論を交わせば国民の理解も進む。自民党は考え方を示している。憲法審で見識を示してほしい。

■長谷川岳氏(自民・国民の声、北海道)

【統計問題】

長谷川氏 統計への信頼が著しく失墜した。

厚労相 統計に対する姿勢を正し、再発防止を徹底する。信頼回復に努めるのが私の責任だ。

【日ロ平和条約】

長谷川氏 日ロ平和条約締結に向けた機運が高まっている。

首相 日ロの間でこれまでにない協力が進んでいる。2月中旬のドイツ・ミュンヘンでの安全保障会議の際に、外相間の交渉を行う方向で調整中だ。

【外国人材受け入れ】

長谷川氏 技能実習制度の問題点について、法務省のプロジェクトチームの検討状況は。

山下貴司法相 制度の運用状況の把握、関係機関の連携の在り方などを検討し、3月末までに調査結果を公表する。

■山下雄平氏(自民・国民の声、佐賀)

【日米関係】

山下氏 トランプ米大統領が一般教書演説を行った。感想は。

首相 国民の団結を呼び掛け、愛国心に満ちあふれた力強い演説だった。

山下氏 米朝首脳再会談を2月27、28両日にベトナムで開催することも発表した。

首相 日米首脳会談を行うのは日程的に困難かもしれないが、電話会談を行い、核・ミサイル問題、わが国にとって最も重要な拉致問題について緊密に方針を擦り合わせていきたい。

山下氏 米朝首脳会談に向け、日米外相会談を開く考えは。

外相 米側から外相会談をという話がある。場所はどこになるか分からないが、しっかりと事前に擦り合わせをしたい。

【国際捕鯨委員会(IWC)】

山下氏 IWCから脱退し、商業捕鯨再開を決めた。

首相 クジラの利用は他の水産資源と同様に科学的根拠に基づき、持続的に行うべきだ。資源の利用が持続的である限り、それぞれの国の食文化は尊重されるべきだ。われわれの世代で商業捕鯨の灯を絶やさず、未来に向けて継続する意義は大きい。国際社会の理解を求めながら、クジラを利用する文化を次世代に継承していく。学校給食での提供や外食産業での新メニュー開発など需要拡大に積極的に取り組む。

〔共同〕

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