埼玉県越生町、樹木葬特化の墓園 5月開設

2019/2/7 0:00
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埼玉県越生町は5月、樹木の下に遺骨を埋葬する樹木葬に特化した公営墓園を開設する。墓標となるツツジを植え、700区画を整備。周囲には合葬形式の樹林葬エリアも設ける。町民以外の利用も条件付きで認める。樹木葬に特化した公営墓園は珍しく、県内では初めて。墓地の継承や維持管理が難しい家庭が増えているため、墓石が不要な樹木葬の墓園整備を決めた。

植栽したツツジを墓標とし、遺骨を埋葬する(墓園のイメージ)

墓園は越生駅から徒歩約15分の「五大尊花木公園」の隣接地(約4000平方メートル)に設ける。公園周辺一帯はツツジの名所として知られており、墓園内にも1.5メートル×1.25メートルの区画ごとにツツジを植栽。利用者は指定の袋に遺骨を入れて埋葬する。区画の外側には1000体分の樹林葬エリアを整備する。埋葬から30年間は町が責任を持って管理するという。

町民が対象だが、町に1万円以上のふるさと納税をすれば町民以外でも利用できる。費用は町民の樹木葬の場合、1区画15万円。夫婦で埋葬する場合など2体目以降は半額になる。樹林葬は1体5万円。町民以外はいずれの費用も町民の2倍とする。

樹木葬、樹林葬いずれも生前の申し込みが可能。2月24日に現地で見学会を開き、同25日から町民向けの事前予約を受け付ける。町民以外は4月1日から。樹木葬は当面700区画で、需要に応じて最大1000区画まで拡大する。

町によると、樹木葬に特化した公営墓園は県外でも珍しいという。墓を持たない町民や「墓じまい」を検討する町民から強い要望があり、事業化に着手した。県が検討していた県営墓地の誘致を目指した時期もあったが、計画が白紙になったため町単独で整備することにした。

■関心高まる樹木葬 開設相次ぐ

少子化や世帯構成の変化などで埋葬に関する考え方が多様化し、樹木葬や樹林葬への関心が高まっている。高額な墓石を必要とする従来型の墓より費用が安く、維持管理の負担も少ないためだ。合葬形式の樹林葬は、子供を持たない夫婦など墓の継承者がいない家庭が使いやすい利点もある。

単身世帯の多い都市部では特に需要が多い。2006年に横浜市が設けた市営墓地をはじめ、東京都立小平霊園や稲城・府中両市の一部事務組合が整備した「公営稲城・府中メモリアルパーク」(稲城市)など、自治体が公営霊園の一部に樹林墓地を開設する動きが相次いでいる。

埼玉県越生町は今回の墓園整備を福祉施策の一環と位置づける。「民業圧迫にならない程度の費用設定」(新井雄啓町長)で民間霊園に配慮しつつ、終活に関する町民の不安解消に行政として取り組む姿勢を強く打ち出した。

埼玉県は高齢化のスピードが全国トップクラスで、17年の死亡者数は6万5764人と13年と比べ5000人以上も増えた。高齢化の先に待つ「多死社会」の到来に向け、墓園整備を巡る自治体の役割は今後さらに大きくなりそうだ。

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