2019年4月21日(日)

長野県19年度予算案 先端技術普及などに注力

北関東・信越
2019/2/6 22:00
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長野県は6日、一般会計の総額が2018年度当初比4.7%増の8859億7311万円の19年度予算案を発表した。一般会計の増額は3年ぶりで、03年以来の規模。産業政策では先端技術の普及や人手不足対策などを進める。このほか教育や子育て、国の補助金を活用した防災・減災対策に重点を置いている。

阿部守一知事は同日の記者会見で「次の時代の長野県をしっかりと築いていける予算を編成した」と語った。国の緊急対策予算を活用した防災・減災事業費386億1305万円を盛り込んだ。緊急対策分を除けば、予算額は前年度当初比0.1%増となる。県税収入の見込みは自動車取得税廃止の影響で0.1%減の2330億円。

阿部知事は「人口減少社会への対応という観点で真っ先に取り組まなくてはならないのは、産業人材の確保だ」とも述べた。人手不足対策として、インターンシップの支援を拡充するほか、三大都市圏から移住して就職する人への支援制度を創設する。4月に国が外国人労働者の受け入れを拡大することを見込み、介護などの分野での外国人材の就業促進策も盛り込んだ。

人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながるIoTなどの先端技術を活用するための拠点を設置する。航空機や医療機器など県内各地域の特性に応じた産業振興策も検討していく。

防災・減災対策では道路・林道の土砂災害対策や橋梁の耐震補強を進める。緊急対策として、松川町の宮ケ瀬橋の掛け替えや、生坂村での橋の新設などを行う。このほか、決壊の恐れのある堤防の強化や砂防ダムの整備も進める。同日決定した18年度2月補正予算案でも、防災・減災対策費を273億5435万円計上しており、3年で集中的に進める。

子育て支援にも重点配分し、人口減少対策を進める。第3子以降が文化施設などの県有施設を使う場合の利用料を無料にして、多子世帯を支援する。国の幼児教育無償化の対象にならない認可外保育施設「信州やまほいく認定園」を利用する世帯の保育料を軽減する施策に、1734万円を計上した。

都市整備に関しては、産官学連携の「信州地域デザインセンター」を設置して、まちづくりに積極的に関わっていく。ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)導入による県庁の業務効率化も進める。

18年度2月補正予算案では防災・減災対策のほか、11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP11)が発効したことを受け、農林業基盤強化策も盛り込んだ。農地集約や安定的な間伐材生産に向けた森林整備など、生産性向上に13億8395万円を計上した。農業用機械導入や施設整備支援には2億712万円を盛った。

■財政健全化は足踏み

少子高齢化が進むなか、長野県の財政運営は一段と厳しさを増している。県の貯金に当たる基金残高は、2019年度末には58億円減の495億円と7年ぶりに500億円を割り込む。県債残高も6年ぶり増加に転じる。19年度予算案は阿部守一知事の就任後最大の規模となった半面、財政面ではこれまで堅持していた健全化の道筋が足踏みすることになる。

県債のうち通常債に限れば、残高は00年度以来19年ぶり増加に転じる。県は「20年度までの国による防災・減災の緊急対策を活用するためで、県債残高の増加は2年間に限られる」(財政課)と説明するが、財政健全化に向けた取り組みの持続性を失ってはならない。

阿部知事は19年度、新たに「行政・財政改革実行本部」を設置し、持続可能な財政構造を作り上げる方針を示した。少子高齢化に加え多様な分野で技術発展が進む中、財政面でも一段の効率運営など新たな時代に即した対応を強化する構えだ。

19年度予算案では義務的経費が過半を占める。高齢社会を迎え社会保障費など削れない支出が増大し続けるなか、将来への禍根を残さない努力がいっそう必要になる。

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