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米中対立と日本の国益(大機小機)

2019/2/6 18:36
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米中関係の冷却化は日本にとってどんな意味を持ち、日本はどう対応すべきか。いま何をおいても議論しなければいけないのはこの点だろう。

重要なのは幅広い層の意見を吸い上げることだ。

米中の緊張は単なる貿易問題から安全保障上の覇権争いに姿を変えつつあり、技術スパイ活動などの機密情報もかかわる問題になっている。

そうなると起きがちなのは、安全保障関係者への議論の丸投げや「安全を米国に依存する以上、米国の言うことを聞くしかない」といった思考停止に陥ることだ。

だが、米中との関係の重大さを考えればそれでは済ませられない。輸出先としてはそれぞれ2割近いシェアを持つ。現地での売り上げも含めた影響を考えれば、日本企業にとってどちらかを捨てる選択肢はない。

経済的な米中分断が進み、どちらを選ぶのか迫られるような事態になれば、日本の窮乏化は避けられない。

そこまではいかないと思いたいところだが、楽観はできない。「軍事的・技術的に米国を打ち負かそうとする中国の長期戦略に立ち向かうべきだ」との声が米政権や議会で高まっているからだ。経済的・技術的な中国封じ込めが米国の優先目標ということになれば、中国も妥協の余地は消え、対米強硬派が力を持つ展開も考えられる。

米国の対中強硬路線は日本にプラスの面はある。日本企業も中国による知的財産権の侵害や技術移転の強要などで大きな被害を受けてきた。不当な経済慣行をやめさせられれば大きな進歩だ。

しかし、米中対立が深刻化すれば、プラスは一気に大きなマイナスに転化する。日本の長期的な国益に資する国際環境についてのイメージを共有し、そこへ向けて日本はどう動くべきかを官民が一緒になって考える必要がある。

知財侵害や競争阻害行為については米欧とスクラムを組んで中国に対峙する。しかし世界経済の分断につながる措置は取らないよう米国に働きかける。環太平洋経済連携協定(TPP)の参加国拡大も重要だ。透明で質の高い通商ルールが世界に行き渡ることは日本の繁栄に欠かせない。

受け身でも快適な国際環境が保たれる時代は去ろうとしている。日本と問題意識や利害を共有する国々とともに行動すべきときだ。

(冬至)

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