2019年3月19日(火)

千代田化工、米でLNGプラント大型受注を発表

環境エネ・素材
2019/2/6 18:29
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千代田化工建設は6日、米国で総額1兆円の液化天然ガス(LNG)プラントの建設を受注したと発表した。同社は昨秋に米国で人手不足によるLNGプラント工事の遅延で多額の損失の計上を迫られたため、建設工期遅延での追加損失をしないで済む設計や調達だけの参画にとどめた。確実に利益を稼ぐ契約にしてリスク管理体制の実効性を強調し、筆頭株主の三菱商事や金融機関からの支援につなげる考えだ。

建設が遅れている千代田化工建設のLNGプラント(米ルイジアナ州)

5日(米国時間)、千代田化工の山東理二社長と長坂勝雄会長は米ワシントンを訪れ、発注元の米エクソンモービルやカタール国営石油(QP)の幹部と握手を交わした。千代田化工が受注したのは2024年の稼働を目指す、年間生産能力1560万トンの「ゴールデン・パスLNGプロジェクト」。昨秋に米国の人手不足が原因で1000億円もの損失を計上してからは初めてとなる大型受注に胸をなで下ろした。

自己資本比率は18年3月末の38%から信用不安で受注に影響を及ぼす13%まで急減。三菱商事などに支援を求めているが、経営再建の実効性を示すためには確実な収益計画を立てる必要性が迫られていたからだ。山東社長や長坂会長は18年10月の損失発覚以降、米テキサス州にあるエクソン本社やドーハのQP本社を訪れて、自ら経営状況を説明してきた。

千代田化工に発注を決めたエクソンなどの状況も追い風となった。昨秋に英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルなどがカナダで計画する大型LNGプラントのプロジェクトの受注を競合の日揮が獲得し、他に有力なプラント会社が千代田化工しかいなかった。本来なら受注は苦戦する状況だったが、エクソンも選択の余地が少なかったようだ。

千代田化工は受注を獲得したとはいえ、当初描いていたプランからは大きく修正を余儀なくされた。リスクの大きい契約は信用不安に陥る可能性が高い。このため、昨秋からジョイントベンチャー(JV)を組む現地建設会社に再協議を申し入れ、契約形態を急きょ変更。千代田化工は設計と調達に絞ることで、建設部分で追加コストが発生しても千代田化工は責任を負わない形態をとった。

建設部分のリスクを回避する一方で千代田化工単独での受注額は減る。従来のプロジェクトではJVの出資比率に応じて利益を配分する仕組みだったが、今回、同社が得られる利益は最大でも300億円程度。赤字額の1000億円の穴埋めにはほど遠い。

千代田化工は19年3月末をメドに経営再建策を策定を目指し、筆頭株主の三菱商事に資金支援を要請しているほか、海外の同業などとも協議をしている。経営の安定には損失を出した1000億円規模の支援が不可欠。今回の受注で経営再建策の実効性を示し、支援を得られるか。これから山場を迎える。

(杉浦雄大)

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