2019年2月20日(水)

2/20 6:00更新 マーケット 記事ランキング

最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 21,302.65 +20.80
日経平均先物(円)
大取,19/03月 ※
21,300 ±0

[PR]

業績ニュース

トヨタ、利益を押し下げた持ち合い株
名古屋支社 大本幸宏 押切智義

自動車・機械
中部
2019/2/6 18:32
保存
共有
印刷
その他

トヨタ自動車は6日、2019年3月期の純利益見通しが前期比25%減の1兆8700億円になりそうだと発表した。8%減の2兆3000億円だった従来予想から4300億円の下方修正となる。ただ、米中をはじめトヨタの新車販売は堅調だ。下方修正の要因はトヨタが採用する米国会計基準のルール変更にある。

米会計基準では17年12月以降の会計年度から、新たに保有株の評価損を損益計算書に反映させる必要がある。グループ会社の株を除いたもので政策保有株、いわゆる持ち合い株が対象だ。トヨタの場合、18年4~9月期までは税引き前利益を1478億円押し上げる要因になっていたが、昨年末の世界同時株安が直撃。4~12月期では3558億円の押し下げ要因となった。

トヨタの18年3月期の有価証券報告書を見ると、保有銘柄にはマツダSUBARUなどの自動車メーカーや部品メーカー、KDDIパナソニックなどが並ぶ。トヨタは17年にマツダと資本業務提携するなど次世代車の開発関連を中心にした提携が増えており、政策保有株は189銘柄で簿価は2兆4600億円にのぼる。

「軽んじてはいけないかもしれないが株式の時価の変動に伴うもの。競争力を左右するものではないと評価している」。同日の決算会見で経理担当の白柳正義執行役員はこう指摘し「足元で見るともうかなり戻ってきている」と付け加えた。

ただ、保有株の変動で業績が大きくぶれれば過去と比較しにくくなる。こうした株価変動は国際会計基準(IFRS)や日本基準では損益に反映されないルールだ。白柳執行役員は「IFRSの導入を検討している。なるべく早期に導入していきたい」と語った。

株式市場はトヨタの収益力を見極めようとしている。午後1時25分の決算発表を受けて株価は一時、前日比1.5%安の6650円を付けたものの、終値は0.7%安の6703円だ。下方修正でも大幅安とはならなかった。

本業のもうけを示す営業利益の見通しは2兆4000億円とする予想を据え置いている。売上高の予想も過去最高となる29兆5000億円だ。日本や中国、欧州などが堅調で、苦戦していた北米もインセンティブ(販売奨励金)の管理が奏功してきている。

中国では供給能力の拡大や営業活動を拡充してきた。昨年7月には中国政府が輸入車の関税を引き下げたのにあわせ日本から全量を輸出する高級車「レクサス」を値下げした。10~12月期の販売台数は市場が減速する中で大幅に増えた。

北米市場も底入れ感がある。10~12月期の販売台数は前年同期より減少したが、値引き原資のインセンティブが低下し採算が改善している。主力SUV(多目的スポーツ車)の「RAV4」をはじめ21年までの3年で米国で31の新型車を投入する計画だ。

トヨタはこれまでの物づくり企業から、新たなステージに踏み出そうとしている。次の成長を支えるのは自動運転やシェアリングなどの「CASE」で、移動サービスの分野では配車アプリの米ウーバー・テクノロジーズなどに相次ぎ出資。ソフトバンクグループとも共同出資会社を立ち上げた。

国内では自動車の定額利用サービスを始める。5日に発表した概要によると、東京都を皮切りに3月から通信機能を備えたコネクテッドカー(つながる車)の利用サービス「キントワン」を始める。「プリウス」「カローラスポーツ」「クラウン」など5車種が対象で、1車種を選ぶ方式は従来のリースと同じだ。3年間、毎月5万~10万円(税込み)を支払えば頭金や税金、保険代、整備費の負担や手間がいらなくなる。インターネットでも申し込みは可能だ。

運営会社の小寺信也社長は「車と気軽に付き合える選択肢で、需要を掘り起こしたい」という。保有より利用を重視する消費者の走行や操作のデータを集め、新たな車両や決済サービスなどの開発にいかす。決算会見にはコネクティッドカンパニーのトップである友山茂樹副社長が登場し、こうした新サービスの収益化について「手応えを感じている」と自信を示した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップマーケットトップ

読まれたコラム