ドコモ系ファンド、北欧のゲーム関連企業に出資

NTTドコモ傘下の投資会社、NTTドコモ・ベンチャーズ(東京・港)は6日、クラウドを使ったゲームサービスを手がけるフィンランドのスタートアップ、ハッチ・エンターテインメントに出資したと発表した。次世代通信規格「5G」時代を見据え、有力サービスの拡充を図る。
4日付で出資した。出資額は非公表だが少額にとどまる模様。
ハッチは2016年に設立。クラウド上でゲームの画像や音声を処理し、その画面を手元のスマートフォン(スマホ)に転送する、ゲーム・ストリーミング・サービスを提供する。
世界で人気となったゲーム「アングリーバード」を開発したフィンランドのルビオ・エンターテインメントからスピンアウトしたスタートアップ企業だ。ゲーム・ストリーミング・サービス「ハッチ」を北欧や英国などで提供している。
ハッチはクラウド上でゲームの処理をするため、ゲームごとのアプリをスマホにダウンロードすることなく100種類以上のゲームを楽しむことができる。スマホやタブレットなどの端末側に高い性能も必要ない。高速・大容量で通信の遅れがほとんど発生しない5Gの特長を生かすことで、こうしたゲーム・ストリーミング・サービスはさらに発展すると考え、出資を決めた。
ドコモは13日から、日本国内でハッチの提供を開始する。月額利用料金は550円。ドコモの会員登録をすれば、ドコモの携帯電話契約がなくても利用できる。
NTTドコモ・ベンチャーズは同日、個人宅や公共施設などの遊休スペースを貸し借りできるシェアリング・サービスを提供するスペースマーケット(東京・新宿)と、出張撮影サービスを提供するラブグラフ(東京・目黒)のスタートアップ2社への出資も発表した。いずれも少額出資にとどまる。
6日開催したイベントに登壇したドコモの吉沢和弘社長は「自分たちだけでできることは限られている。ベンチャー企業の新たな技術やアイデアとドコモの強みを足し合わせることで、新たな価値を作り出していきたい」と語った。
関連企業・業界