2019年6月20日(木)

神奈川も人口減に、問われる活性策 黒岩知事が出馬表明

2019/2/6 21:00
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神奈川県の黒岩祐治知事(64)は6日、横浜市内で記者会見し、4月7日投開票の知事選に3選を目指して立候補すると正式に表明した。すでに市民団体代表の岸牧子氏(62)も出馬表明しており、事実上の選挙戦が始まる。県内の人口は知事の次の任期中に減少に転じる可能性があり、少子・高齢化時代に備えた次世代産業の育成や地域の活性化策が問われる。

記者会見に臨む黒岩知事

黒岩氏は会見で「経済のエンジンを回し税収を上げる。企業誘致は約束通り100社できたが、もっともっとやっていきたい」と、引き続き企業誘致を強化する姿勢を強調。再生可能エネルギーの導入や健康増進なども合わせ、地域活性化を推し進める考えを示した。

県の推計によると、2019年1月1日時点の県内の人口は918万人。全国2位だが、20年ごろを境に減少に転じる可能性が指摘されている。県のまとめでは県西地域や三浦半島ではすでに人口減が始まっている。地域の衰退につながる人口減は全国的な課題だが、規模が大きいだけに後手に回ると深刻だ。

最も重要な課題は産業の活性化だ。かねて黒岩氏は15年度からの4年間で県内に100社を誘致する目標を達成したと強調。健康と病気の間の「未病」をキーワードに、企業の開発拠点を設けたり、関連施設を作ったりした。県央地区の「さがみロボット産業特区」でロボット関連の産業集積を進めたという。

ただ、企業誘致の実績がすべて県の功績というわけではない。進出企業が必ずあげるのは「東京に近い」「横浜のイメージがよい」といった点だ。横浜市などの努力に負う部分もある。ブランドイメージに頼らない新機軸が求められる。

IT(情報技術)の活用による自家用車がなくても移動がしやすいMaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)など次世代の技術を生かした取り組みは県内各地で進んでいる。新たな技術やサービスを暮らしやすい街づくりにつなげれば、子育て世帯を呼び込み人口減のペースを緩やかにすることにつながる。

観光のてこ入れも急務だ。17年に県内を訪れた日帰り観光客の延べ人数は1億8404万人だが、地元経済への寄与度が高い宿泊客は1665万人にとどまる。訪日外国人(インバウンド)は富士山、京都といった「ゴールデンルート」に集中するため、素通りされていると観光関係者から指摘されている。

県は12年度から横浜や鎌倉、箱根に続く「第4の観光の核」となる都市づくりを進めている。「城ケ島・三崎」(三浦市)、「大山」(伊勢原市、秦野市、厚木市)、「大磯」(大磯町)の3つを構想地域として後押ししているが実績は乏しい。そもそも、横浜、鎌倉、箱根の横の連携はないに等しい。経済界からは「外国人に的を絞った働きかけの工夫などやるべきことはあるはずだ」という声がある。

幸い、県内では9月のラグビーワールドカップ(W杯)や20年の東京五輪・パラリンピックという国際的なイベントが続く。県全体の知名度を上げ、足を運んでもらう好機を生かすため、機運醸成には一層、力を入れる必要がある。

(浦崎唯美子)

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